ご存知ですか?スターバックスに「社員」がいない理由

From 山極毅 @お台場のコンサルティングルームより

 

 

今日のメールでは、戦略人事というコンセプトについてお話ししたいのですが、

これを説明するのにうってつけの会社が見つかりました。

 

その会社は、スターバックス社です。

 

 

スタバの話に入る前に、少しだけ戦略人事ってなに?というお話をします。

 

戦略人事という言葉を最初に提唱したのはデイビッド・ウルリッチさんという人。

 

この人が提案した考え方は大きく4つあります。

 

 

まず1つ目がビジネスパートナーです。

 

人事部は、経営者のビジネスパートナーとして、

経営に参加していくべきという考え方です。

 

経営者のパートナーでなければならない、ということです。

 

 

2番目は、組織開発と人材開発です。

 

組織開発と人材開発は何のためにやっているか?

 

それは人材育成です。

 

会社の中にいる社員の人達が成果を出せるように、

組織の組み方を検討したり彼らに学んでもらうこと、

 

あるいは自分たちで学習していけるように段取りを組むというのが目的です。

 

 

それから3番目が、センターオブエクセレンス。

 

日本語だとちょっとわかりにくいですが、人事専門スキルのことです。

 

例えば、労務関係、社会保険料の計算、給与計算、採用等、

人事って非常に領域が多いのでそれぞれ専門家が必要になってきます。

 

この専門家がそれぞれの得意の領域に深く入っていくという発想です。

 

今のジョブ型に近いかもしれません。

 

 

それから4番目の最後はオペレーションです。

 

オペレーションというのは、入社の事務とか、面接のセッティングとか、

タイムレコーダーや出勤簿の管理にとかそういう仕事です。

 

他には、異動したら、異動後の社員データの書き換えとかですね。

 

こういう日常業務オペレーションも大事な仕事です。

 

 

この4つを揃えるものが、戦略人事だという定義になっています。

 

特に最後のオペレーションを実際に実行できないと、

いくら戦略を立てても機能しなくなってしまうわけです。

 

さてここで問題になるのは、この4つの領域を

全部社内でやることができる会社というのは、ほとんどいないという事実。

 

そうであるなら、誰か他社外の人に手伝ってもらうということになるわけなんです

けれども、ここで一番外に出しやすいのは4番目に入ったオペレーションです。

 

事務方の作業になりますから、専門の社外労働力を雇う、あるいは

そういう専門にサービスを提供している会社に委託するというのが考えられます。

 

ここは割とやりやすいですし、そんなに値段もかからない。

 

アウトプットだけをちゃんと捉えておけば、問題ありません。

 

 

次に簡単なのは、センターオブエクセレンスの領域です。

 

人事業務というのは領域がいっぱいあって、

かつ深く掘っていかなきゃいけないので、

できる人というのもそうそういないです。経験も必要ですし。

 

領域を絞って経験者を使おうと思うと、全部外注に委託するという手はあります。

 

ただし、この外注の委託先が、自分たちが期待する以上のスキルを持っているか?

専門スキルを持っているか?というところを見極めるのはとても難しいですね。

 

上司が部下新入社員を指導するのは比較的簡単ですが、

新入社員が上司の力量を把握するの難しい。

 

それと同じです。

 

 

ちょっと難しくなってくるのは、組織開発と人材開発です。

 

この組織開発っていうのは、ほぼアウトソースはできないので、

自前でやるしかないです。

 

組織風土開発は、その会社の事業の状況を考えながら、

経営者と一緒にやっていかなければいけないです。

 

ここをアウトソースするとなると、結構単価の高いコンサルに依頼して、

彼らと一緒に経営陣に話をしていく必要があります。

 

予算があって、この体制がとれる条件がそろわないと、

組織開発のところはなかなか外注化は難しいと思います。

 

 

人材開発の一部である社員研修は、どちらかというと

センターオブエクセレンスに入るので、

2番目のアウトソースしやすい部類に入ります。

 

 

人材開発というのは、どういう人材を作っていくのか?

どういうふうに育っていってもらいたいのか?という青写真を描くこと。

 

これが人材開発の本当の仕事なんですけれども、

ここは研修会社に委託することはできません。

 

研修会社は、その会社がどんな人材を育成したいのか?というのを聞いた上で、

研修の中身を作ることはできます。

 

しかし、その会社の人材育成方針を作ることはできません。

 

この辺は、非常に戦略色が強くなってくるところです。

 

 

そして最後。

 

アウトソースできないのは、ビジネスパートナーと呼ばれているところです。

 

ここが本当に攻めの人事と呼ばれているところで、

どうやって経営者のサポートをするかということになります。

 

 

ビジネスパートナーというのは二つ役割があります。

 

1つは事業部門の人事部。

 

例えば、会社の中に5つの事業部があったとすると、

その5つの事業部長に寄り添って、人事全般のお手伝いをするチームです。

 

もう1つは、社長とか役員とか取締役の人たちと一緒に、

人事のいろいろなことを考えていく人。

 

この人達のことも、ビジネスパートナーと呼んでます。

 

事業部のビジネスと、本社のビジネスのところを手伝っていくのが、

戦略人事の要の部分なのです。

 

 

4つの戦略人事の要素について話したんですが、最近言われているISO30414

というのは、企業の人材情報開示に関するガイドラインです。

 

これからの時代、企業の人材情報を外部に提出していくということが、

求められるようになります。

 

2023年には次の改訂タイミングがきます。

 

今はガイドラインですが、ひょっとするとルール化される可能性もあります。

 

 

今ならまだ2年ちょっとありますので、

できることなら今のうちに準備できるところはしていたほうが良いと思います。

 

あなたの参考になると思うのですが、

アメリカで始まった情報開示の実例を取り上げました。

 

2020年の9月に、有価証券報告書がもうすでに発行されているので、

英語を翻訳して音声解説を付けた動画講座を作りました。

 

リンクを張っておきますので、時間がある時に見てください。

 

https://keieijinji.co.jp/lp/hcr/starbucks/main

 

 

非常に面白い発見は、スターバックスには社員がいないということ。

 

彼らは、社員のことを「社員」と呼んでいないのです。

 

では、何と呼んでいるのか?

 

これがまさに、スターバックス流戦略人事の、

根本を形作っているものじゃないかなと思っています。

 

彼らの人材育成にかける思いが分かる資料になってますので、

ぜひ申し込んで動画講座を聞いていただければと思います。

 

 

山極毅

 

 

P.S.

と、ながながとスタバについて書きましたが、

最近コーヒーは家でしか飲みません。

 

我が家のコーヒー事情をYouTubeで公開しました。

 

笑わない心理カウンセラー、山極(松原)いく子(妻)も映ってます。

 

 

 

P.P.S.

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます ^ ^

 

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