社員採用に「ウニ」を使う方法

From 山極毅 丸の内のオフィスより

 

 

以前、新卒学生へのダイレクトスカウトサービスとして、

ビズリーチ社が「ニクリーチ」というイベントをやっていました。

 

会社の偉い人が、学生に焼き肉をおごってスカウトするというサービスです。

 

面白いネーミングですし斬新な試みでしたが、2020年の7月にサービス終了となったようです。

 

 

その代わりに、弊社が「ウニリーチ」を始めます!

 

という話ではありません。

 

社員採用に「ウニ」を使うとはどういうことなのか?

 

最近、弊社が開発して提供しているオンライン面接ツールに、

自社社員とのマッチング度数を測定できる機能を追加しました。

 

リサーチチームと開発チームがコラボして、かなり短期間で実装したのですが、

今後発展させていくと機械学習を使っていくことも可能です。

 

で、この機能は裏で何をしているかといいますと、

 

「5,000次元語彙ベクトルのコサイン一致度」

 

を計算しています。

 

はっきり言って、なんじゃそれ!?ですよね。

 

特に、「ベクトル」という単語に、アレルギー反応を示す方もいらっしゃるかと思います。

 

 

ベクトルとは、大きさと方向を持つ量です。

 

例えば、走り幅跳びのふみきり時の速度と方向とか、

野球でバットから飛び出たボールの速度と方向など、

こういうものを表現するときにベクトルを使います。

 

で、オンライン面接でこのベクトルをどう使うのか?

 

ここで、ウニを想像してください。

 

 

ウニのトゲは、求職者が文章を書くときに使っている「単語」を示しています。

 

そして、ウニのトゲの長さは、その単語の「出現回数」を示しています。

 

ウニのトゲを5,000本用意するためには、その会社の社員の人たちが良く使う「単語」を

5,000個選んで、どのくらいよく使われているかを示す「出現回数」も一緒に記録します。

 

このウニが、あなたの会社の社員が良く使う言葉、

つまりあなたの会社の組織風土を表す「ウニ」なのです。

 

これを「ウニベクトル」と呼びましょう。

 

ここまでで準備は完了です。

 

 

求職者の人に様々な質問をして、彼らが回答してくれた文章も同じように

「ウニベクトル」化します。

 

そして最後に、会社の「ウニベクトル」と候補者の「ウニベクトル」の、

一致度を計算するとベクトルの類似度が結果として得られます。

 

この類似度のことをコサイン類似度といいます。

 

 

実際にはあり得ませんが、両方の「ウニベクトル」が一致すると、

計算結果は1になります。

 

なので、1に近ければ近いほど、あなたの会社へのカルチャーフィット度が高くなります。

 

さらに、採用した人が本当に活躍しているのかのデータを取得し、

プログラムの検証をしていくことによって、あなたの会社の選考能力は

時間とともに向上していくことになります。

 

 

ある顧客企業で実際に計算してみたところ、

社内で非常に活躍している人材の数値は、0.7を超えていました。

 

これは、5,000本のウニのトゲの向きとトゲの大きさが、70%一致していることになります。

 

驚異的な一致度です。

 

活躍しているのもうなずけます。

 

通常は、0.15とか高くても0.5程度ですから、0.7がどれだけすごいのか分かります。

 

 

さて、なぜこのようなツールを開発しようと思ったのか?

 

それは、私が人事部長時代にとても苦い経験をしたからなのです。

 

中途採用で、とても優秀な方を採用したのです。名前をAさんとしましょう。

 

Aさんは、桜〇高校から、東〇大学という、

絵にかいたようなエリートコースを歩んできました。

 

新卒で外資コンサルタントに就職して、日産自動車に中途入社しました。

 

人事部のだれもが、Aさんは活躍すると思っていました。

 

 

ところが、、、

 

入社後1週間たったころ、Aさんの上司だったB課長がこんなことを話すのです。

 

B課長「山極さん、すいませんがAさんと一度面談してもらえますか?」

 

山極「もちろんいいよ。何かあったの?」

 

B課長「いや、実は・・・」

 

B課長曰く、メンタル崩壊寸前で、

まったく仕事ができない状態になってしまっているとのこと。

 

私は、耳を疑いました。

 

 

早速、会議室を予約してAさんと話をしたのですが、

Aさんは、最初からずっと涙を流していました。

 

Aさん「私、何をすれば良いのか分からなくなってしまいました・・・」

 

・・・

 

誰もが活躍を信じていたAさんから、こんな言葉を聞くことになるとは思いもしませんでした。

 

あきらかに採用の失敗です。

 

責任は、採用担当部長だった私にあります。

 

 

いろいろ話を聞いていくと、もっとオープンで外資系のノリで

仕事ができると思っていたのだが、実際にはかなり日本的な風土でまったくついていけない。

 

覚えることはたくさんあるし、知らない人ばっかりだし、

外資コンサル出身ということでの周囲からの期待値も感じていて、

空回りしてしまっているとのことでした。

 

 

Aさんの能力を考えれば、あきらかにカルチャーフィットの問題です。

 

個人の能力や専門知識は、面接や記述した内容を見れば分かります。

 

しかし、カルチャーフィットを把握する方法は、当時の日産にはありませんでした。

 

そのために、Aさんは自分のキャラクターに合わない会社に、

入社することになってしまいました。

 

そして、傷つきました。

 

私は、本来であれば、Aさんに不合格通知を出さなければいけなかったのです。

 

今回のツールを開発した裏には、このような失敗体験があります。

 

すべての人が、自分らしく働くことができる社会を作るには、

個人と会社のカルチャーフィットを計測できるシステムが必ず必要だ。

 

と、この時考えたのです。

 

 

ウニのトゲは、5,000次元でも、10,000次元でも可能ですが、

トゲを増やすと計算に時間がかかったり、必要なデータの数が増えてしまいます。

 

(これを専門用語で、「次元の呪い」と言うそうです。)

 

それよりも、採用→配属→育成→評価というPDCAを回していくことで、

よりおいしい「ウニベクトル」を作る方が得策です。

 

それにしても、高校時代に意味不明だったベクトルのありがたさに、56歳で気づくとはね。

 

人生、ほんとにオモロイですわ!

 

山極毅

 

 

P.S.

もしよかったら、以下リンクからGoogleでレビューをしていただけると嬉しいです。

 

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別途私から日程調整の連絡をいたします。

 

 

P.P.S.

前回のメルマガでレビューをお願いしたら、

早速3名の皆様にコメントをかいていただけました。とても励みになっています。

 

ありがとうございました。

 

https://g.page/keieijinji/review?np

 

 

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