居心地の良さが生産性に直結するのは本当?(経営人事メールマガジン)
From:山極綾子
オフィスの中央には大きな木。
その周りでは鳥のさえずりが聞こえ、木漏れ日のようにゆらゆらする光が手元を照らす。
木の葉の擦れる音までも、聞こえてくるようです。
これは、大学院での講義の一環で参加したインターン先の、
とある企業のオフィスの様子です。
それはそれは、すごいオフィスでした。
オフィス中央には木を模した柱があり、BGMは鳥のさえずりなど、
その場に合わせて設定してあります。
しかも、人が集中するのに最適な周波数を用いて、
その企業のために作曲されたものだそうです。
照明にもこだわりがあり、木漏れ日の照明を用意したり、
時間帯で光の強さを変えるなどもしているそうです。
そして、ユニークなのはその木だけではありません。
さまざまなエリアが存在します。
森の中エリアには切り株の机といす。
(表面はつるつるでもちろん書きやすい!)
海辺エリアにはビーチとその音、寝そべれる場所に、壁ももちろん、水平線がペイント済みです。
テラス席をイメージした場所もあり、コンセントはないけれど、
少しの時間集中するだけならとても良い環境が整っていました。
そのようなオフィスでインターンをした感想として、職場の環境は、集中力に直結していました。
件名の問、【居心地の良さが生産性に直結するのは本当?】
答えは、実感を持って、Yesです。
ところでそのオフィスでは、だれもがその日に好きな場所で仕事ができる、
オープンアクセスの制度を取っていました。
ですが、その制度を全員が必ず使っているかというと、
そんなことはありませんでした。
オープンアクセスと言えど、
いつも同じ場所で作業している人も大勢いらしたのです。
その方たちにとっては、いつもと違う場所で作業することになること、
それこそがストレスなのでしょう。
新しい場所で仕事したいのか、それともいつもどおりが良いのか。
そういったところにも、個性が表れます。
新しい仕組みを導入した時、それをすぐに使うのか、しばらく様子を見るのか。
どのやり方が心地いいかどうかは、その人の個性によります。
全員にとって快適な職場を作れたら、
きっと、生産性はもっと上がるに違いありません。
山極綾子
P.S.
思い返せば授業でも、常に前の席に座る人たちと後ろに座る人たちがいました。
そしてその特徴は、その学生たちの所属する学科によっても違いました。
つまり、学生たちの個性の影響もさることながら、周りの環境も大きいようです。
その企業で多数を占める個性とは違う人がいれば、
その多様な考え方によって生産性向上は望めるかもしれません。
ですがその分、無理やりオープンアクセスを強いられる人のように、
ストレスがかかりやすい環境であることも確かです。
お互いの個性を知ること、
そして、それによってお互いにとって快適な環境を用意することが
重要になってくるのかもしれません。
P.P.S.
最近、コロナウイルスの影響で、社員にリモートワークを促す企業が増えています。
もちろん、働く方々の健康を守ることが第一です。
一方、今までと違う環境下での勤務を強いられる従業員に対して、
どうすれば快適に働いてもらえるか?
という視点も必要なのではないでしょうか。
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