コミュニケーションとはつまり・・・
From: 岩下知史
経営人事パートナーズ、エグゼクティブコーチの岩下です。
今回のテーマは「コミュニケーション」です。
人間の3大悩みは「お金・健康・人間関係」と言われていますので、
多くの方が悩まれるポイントだと思います。
ちなみにWikipediaによると、コミュニケーションは以下のように説明されています。
“コミュニケーション能力(コミュニケーションのうりょく、communication ability)は、
「他者と意思疎通を上手に図る能力」を意味する。”
では、その上で質問です。
「あなたにとって、効果的なコミュニケーションの要素とは何ですか?」
1つだけ挙げてください。
Amazonでは「話す力」「聴く力」「共感力」というキーワードの本がよく売れているようなので、
その辺りに重きをおかれる方は多そうですね。
確かにそれら全て重要だと思います。
しかし、私がこれまでのコーチの経験から、1つだけ要素を挙げるとしたら?
「コミュニケーション=フィードバック」と答えます。
なぜなら、フィードバックには上記の全ての要素と共に、
とても大きな”ある効果”が含まれるからです。
一体どういうことか?
今回はフィードバックがコミュニケーションを潤滑にする理由を、
具体的にお伝えさせて頂きます。
■フィードバックの意味
フィードバックと聞くと、上司が部下に対して改善や評価を行うような、
一方的なものに感じられるかもしれません。
しかし、今回は日本語における「反応」という意味で使います。
正確には「適切な反応」という表現が相応しいでしょう。
ではなぜ、フィードバック(適切な反応)がコミュニケーションを潤滑にするのか?
1番の理由は「お互いの洞察に繋がるから」です。
更にもっと分かりやすくするために、コミュニケーションのレベルを「3つ」に分けて、
事例とともにお伝えします。
■3つのコミュニケーションレベル
今回はコミュニケーションの方法と、その深さを3つのレベルに分けてみます。
各レベルは以下の通りです。
レベル1:アドバイス
レベル2:聴く(共感)
レベル3:お互いの洞察を深める
それぞれの会話例(上司:佐藤さん、部下:田中さん)を用いて、1つずつ解説いたします。
■レベル1:アドバイス
まずコミュニケーションにおいて、最も低いレベルが「アドバイス」です。
<やり取りの事例>
田中: 「このプロジェクトがどうすればうまく進められるか、答えが見つからないです。」
佐藤: 「それなら、タスク管理ツールを使ってみたらどう?
それと、週次での進捗報告を徹底するといいと思うよ。」
アドバイスは、する側の意図がほとんどで、される側の意図が含まれません。
時と場合によって必要なこともありますが「他者と意思疎通を上手に図る」には、
うまく機能しないことが多いでしょう。
■レベル2:聴く(共感)
聴く・共感は、多くの本でもオススメの方法として挙げられています。
<やり取りの事例>
田中: 「このプロジェクトがどうすればうまく進められるか、答えが見つからないです。」
佐藤: 「それは大変だったね。具体的にどんな部分が難しいと感じているの?」
田中: 「中盤でのデータ分析のタイミングが遅かったと感じていて、
それが影響していると思います。」
佐藤: 「データ分析のタイミングが難しかったんだね。その気持ち、よくわかるよ。」
相手からすれば、自分の話を聴いてくれると安心感が生まれます。
特に相手が困惑していたり、ストレスやプレッシャーを感じている状態では効果的でしょう。
しかし、聴く・共感するだけでは、自分の意図が反映されません。
アドバイスに比べたらかなり効果的ではありますが、
双方の理解を深めるためには、まだ十分とは言えないでしょう。
■レベル3:お互いの洞察を深める
最もレベルの高いコミュニケーションが「お互いの洞察を深める」です。
<やり取りの事例>
田中: 「このプロジェクトがどうすればうまく進められるか、答えが見つからないです」
佐藤: 「その気持ち、正直僕も感じている部分があるよ。何か気になった事はある?」
田中: 「例えば、私は中盤でのデータ分析のタイミングが遅かったのではないかと感じています。」
佐藤: 「確かにその点は挙げられるね。
私は、プロジェクトの初めにチームメンバー間の役割分担が明確でなかったのでは?と感じている」
田中: 「ああ、確かにそれは思い当たる節があります。
役割が明確でないことで、私もいくつかのタスクを先延ばしにしてしまったことがあります。」
佐藤: 「それが原因でタイミングもズレてしまったのかもしれないね。」
田中: 「役割が明確だったら、タスクの優先順位も見えやすかったかもしれないですよね・・・
次回はその点を意識して進めたいです。」
人は単に新しいことを教えてくれる人よりも「新しいことに気づかせてくれる人」に、
より深い感謝と信頼感を持ちやすいです。
あなたもこれまでの人生において「恩人」と呼べる方がいたとしたら、
その方はあなたに何かを気づかせてくれた人ではないでしょうか?
洞察を深めるにはお互いの共有が必要であり、フィードバックができるかどうか?
で、コミュニケーションの深さが大きく変わります。
■フィードバックのポイント
とは言え、ここでよくあるのが「フィードバック=アドバイス」になっていることです。
そうならないためにも、最後にカンタンにフィードバックを意識できるようになる方法を、
1つだけお伝えしておきます。
それは「質問を中心に会話を進めること」です。
・どうしてその方法を選んだの?
・その結果にどう感じた?
・その際に最も難しかったことは何だった?
このような質問は、自然と相手の気づきを促します。
その上で「私は〇〇と感じているよ」という表現を使うことで、
お互いの意図を共有し、洞察を深めるきっかけになるでしょう。
■自分を整える
今回は「コミュニケーションとフィードバック」についてお伝えさせて頂きました。
ここまでお伝えして、最後に全てひっくり返すようですが・・・
コミュニケーションについて、もっと本質的な回答をするのであれば
「自分のあり方を整えること」だと私は考えています。
そもそも「自分の事で手一杯」という状態では、
良いコミュニケーションを取る事は難しいですよね。
となると、結局コミュニケーション能力を上げるには、
自分の器を広げるしかないという結論に至ります。
しかし、これではあまりに抽象的過ぎます。
だからこそ、まず意識しておきたいのがフィードバックである・・・
というのが今回のまとめです。
少しでも周りの方と、コミュニケーションを深める参考になれば幸いです。
それでは今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
追記.
ありがたいことに早速メルマガに対するご意見・ご感想を頂いております。
(ご意見を頂いた皆さま、ありがとうございます)
次回以降は、頂いたご要望からテーマを決めたいと思いますので、
どうぞ楽しみにしていてください。
エグゼクティブコーチ
岩下 知史
P.S.
ご意見ご感想はこちらからお寄せ下さい。
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いつもありがとうございます。
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