AIをもっと賢くさせるデータはどんなデータ?
From:山極綾子
手元にあるデータからルールを学習する機械学習技術。
そしてそれを用いた、いわゆるAIの様々なツールたち。
chatGPTなどの言語モデルや、画像を分析する技術。
音声認識から売り上げ予測まで、様々な分野で活用されています。
これら素晴らしい成果を上げるためには、十分なデータが必要です。
そしてこの学習に用いるデータ。
必ずしも最初からすべて用意されているとは限りません。
お客様への販促施策を行う際、これまでに実施しておらずデータがない顧客もいれば、
そもそも商売的に全員に施策を行うのは不適切である場合もあります(割引クーポン配布など)。
他にも、画像が何を表しているかを示す「タグ」を推定する問題では、
そのタグ情報を付与するためのコストがとても高いため、
すべてのデータにタグを設定するのが難しい場合もあります。
どんなデータを追加すれば、効率よくモデルの精度を上げることができるのか。
そのような観点からの研究として、能動学習というものがあります。
これまでの経験に基づくモデルを生成し、
その結果、効果が見込めるだろう対策を打っていくようなイメージです。
ですがこのように「効果が見込める」と思って追加したデータが、
実はモデルに悪さをしてしまうことがあります。
例えば極端なお客さんの例を取得してしまい、顧客全体を分析するときのネックになったり。
人間でも判断に困るような画像のタグ情報は、
機械学習にとっても学習する必要は薄い可能性があります。
ところで、能動学習のように、「何が有効なのか」を考えなければいけないのは人間も同じようで、
【失敗から間違った教訓を得てはいないか】という記事が
ハーバードビジネスレビューに載っていました。
https://dhbr.diamond.jp/articles/-/9582
失敗から学ぶことは重要であるが、その際有用な教訓と有害な教訓がある。
そして、どのようにすれば有用な教訓が得られるのか。
そんなことが書いてありました。
何を見るべきかが重要であるのは、人間も機械学習も一緒の様です。
山極綾子
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