山極毅 From丸の内のオフィスより
今日のタイトルにある質問は、中小企業の経営者から大手企業の人事担当者が
知りたいけれども、答えを探すのが難しい問いかけの一つです。
もし、あなたが経営者または人事の責任者なら、どうやって納得する答えを導きますか？
最初に思いつくのは、
「売上を10%増やすのだから、社員も10%増やせばよいのではないか？」
というアイディアです。
非常に分かりやすい反面、本当にこれで良いのか？という疑問が生じます。
そうです、実際にここまで社員を増やすとNGです。
なぜNGだと言えるのか？
売上を10%増やしたい時に、社員数を10%増やしてしまうと、
売上に占める人件費の比率が一定となります。
そうすると、社員一人当たりの売上高は一定になります。
ところが、世の中の実在する会社のデータを調べて、その傾向を見てみると、
会社が大きくなるにつれて社員一人当たりの売上高は、大きくなっていきます。
また、社員1人当たりの利益額や、社員1人当たりの付加価値額
（注：営業利益と総額人件費の和）も、
会社の成長とともに大きくなっていきます。
ということは、売上を10%増やしつつ、かつ会社を正常に成長させたいと思うのであれば、
社員数は10%まで増やしてはいけないことになる訳です。
恐らく、このことを知らなくても会社経営は出来ますし、給与制度の設計もできるでしょう。
ただし、もしあなたが会社を持続的に成長させたいと思うのであれば、
この関係を正しく理解しておく必要があります。
売上を10%程度増加させるのであれば、今ある人事制度でも困らないでしょう。
しかし、「会社の売り上げを2倍にするために、何人まで社員数を増やして良いのか？」
という質問に対しては、データに裏打ちされたロジックで意思決定する必要があります。
例えば、5年で売上を2倍にしたいのであれば、2倍になった時点での社員数、
人件費、1人当たりの売上高／利益額／付加価値額を設定する必要があります。
また、ISO30414の浸透と拡大にともなって、人的資本のROI（投資収益率）も
はっきりさせる必要があります。
さらに、会社を拡大していく場合は、
今よりももっと優秀な社員を確保していく必要があります。
そうすると、社員一人当たりの給料（平均値）は増やしていく必要があります。
人事制度、給与制度はどのように設計しなくてはいけないのか、
という点をまとめてみましょう。
会社の人事制度、給与制度は、企業の売上増加と共に
１）売上高に占める人件費総額の比率は小さくなるようにする
２）1人当たりの給料はアップさせる
３）1人当たりの売上高もアップさせる
４）1人当たりの付加価値額もアップさせる
５）同時に売上高営業利益率をアップさせる（人件費とのバーター項目です）
６）労働装備率をアップさせる（自動化、省力化投資の推進）
７）人的資本ROI（投資収益率）をアップさせる
等を同時に達成させる必要があるのです。
もしあなたの会社が、今後の事業成長やISO30414による情報開示という課題を
お持ちなのであれば、弊社の動画講座が参考になるかも知れません。
前回実施したところ、想定よりも多くのお客様に参加いただいたので、
定期的に開催することにしました。
（11/5の回と内容は同じです）
ご興味のある方は、以下のページからお申し込みください。
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最後にクイズの答えです。
売上高を10%増やしたい時の世間相場は、社員数を7.4%増以内に抑えることで、
今よりも強い会社にすることが出来るでしょう。
こうすることによって、1人当たりの売上高は2.4%増加し、
1人当たりの人件費を1.1%アップさせ、営業利益を1.4%アップさせることができます。
これらの数値は、2018年の日本の全産業の平均値ですので、
もっと良い成果を出すことももちろん可能です。
一つの目安として活用いただけますが、業種によって許される人員増は異なりますので、
詳しくはセミナーでご紹介している手法を導入していただければと思います。
山極毅
P.S.
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます ^ ^
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