From:山極綾子
「やっぱり、論文1本読むのに2週間かかるのは、ちょっと長すぎですよね…？」
来年度から修士学生として研究室のメンバーになるTくんの研究と
スタートダッシュをサポートすべく、2月あたりから、定期的に、
1on1で研究相談会を実施しています。
そして先日彼から、冒頭の言葉を言われました。
いやいやいや！！！
私の想像の5倍くらいのスピードで進んでる！
と、脚色一切なしで思うのです。
というのも彼の学部時代の専門は法律。
法学部からの入学生です。
そして私たちが所属する研究室の専門は、機械学習。
全く違う畑の学問です（多分）。
そのため、2月頭時点では、統計の基本的な知識はあるものの、
機械学習に関する知識はほとんどありませんでした。
読んでもらった論文の超基礎的な考え方も認識していなかったほどです。
（それは当たり前なので、だからどう、と言うのはもちろん一切ありません）
それなのに、たった2週間で、8,9割方、数式も含め
きちんと理解して資料を作ってきてくれたのです！
本当に驚きました。
資料を見ていると、論文だけでなく追加でいろいろと勉強して来てくれた
みたいで、相談会を実施しているこちらとしても、とても嬉しい限りです。
こうやって身近に頑張っている人、しかも後輩がいると、がぜんやる気が出ます。
質問や相談されたとき、
間違ったことは教えちゃダメ！
すぐに的確に答えたい！
（かっこつけたい！）
と思うからでしょうか。
相談会のメンバーに同期や先輩がいたら、どうしても甘えが出てしまって、
こうはいかなかったかもしれません。
Tくんの相談会を受け持った理由は、同じ専攻の人が私しかいない、
という至極合理的な理由でした。
なのですが、私自身の研究や勉強の視点から考えると、
彼の研究を見ることほど私にとってプラスなことはないように思います。
こういった、他にはないパワーを持つデータが、機械学習においても存在します。
ここで言うパワーは、AIの精度にどの程度寄与できるか？ということです。
データによって、精度向上にどれくらい寄与するか？
というのが変化するとも言えます。
そういったデータは例えば、対象が時系列で変化するものならば、
直近のデータかもしれませんし、
そうではなく、単に特徴的なデータかもしれません。
どのデータが望ましいのか？を常に考える必要があるように思います。
山極綾子
P.S.
一方で、追加されることによりAIに対して悪い影響を与えてしまう、
精度を下げてしまうようなデータも存在します。
（今回の相談会だと、もし同期や先輩がいたら、私のモチベーションに対しては
“悪い”影響がある、ようなものです。）
適切なデータを使えるように、どんなデータが手元にあるか、
どういった特徴を持っているのか？を予め把握しておく必要があるのは
間違いなさそうです。
P.P.S.
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