雑草と間違えられたチューリップ

​ From:山極綾子

​

雑草ものすごく伸びてきたなあ…

あれ。全然根っこから取れない。

これだともしかして雑草取りの意味ない…？

そんなことを考えながら、家の周りの雑草を掃除していたある日の朝。

ぶちぶち。

気分よく抜いていたのですが、なんだか引き抜いた感覚に違和感。

もしかして…！

恐れていたことが起こりました。

祖母が植えていったチューリップの球根。

そしてそこから生えていた茎を、それはもう豪快に引きちぎってしまっていたのです。

他の球根はすべて花が咲いていたため油断していました。

まさかこんな、背の低いところにまだ残されていたなんて！

そもそも今回の雑草取りは、チューリップが見えやすいように。

そして成長が進むようにと、チューリップの成長を阻害するだろう雑草を

なくしてしまうためのものだったのです。

それなのに、守るべきチューリップを引き抜いてしまうなんて…。

手にチューリップの茎を握りしめながら、

すこし落ち込んでしまったのは仕方のないと我ながら思います。

おそらく、周りに生い茂る雑草の影響で、他の球根より成長が遅かったのだと思います。

と、ここまで雑草取りをしてふと気になりました。

そもそも雑草って何だろう？

調べてみると、人間が意図して植えたものではないもの。

というようなことが書かれていました。

つまり、想定外のものだということ。

機械学習でも、自分が学習したい母集団の中に含まれる「意図しないもの」を

排除する方法がたくさんあります。

一番シンプルなもので言えば、とびぬけて極端な値を持っているもの、

すなわち異常値を人の手で削除する方法もあります。

他にも、「普通の」データの特徴を学習させることで、

そのルールにそぐわないものを「想定外」として削除する以上検出などの手法もあります。

ですが雑草の問題は、数が多いこと。

チューリップ5輪（＋私が引き抜いた1輪）に対して、

雑草は少なく見積もっても50程はありました。

これではむしろチューリップの方が「異常」と機械学習に見なされてしまっても仕方ありません。

何が異常で何が正常かは、モデルを作る人間のさじ加減一つなのだなあと思わされました。

山極綾子

P.S.

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