課長Nさんが〇〇をやめた話

From山極毅 丸の内のオフィスより

 

 

今日はある課長Nさんの話をしたいと思います。

 

Nさんは、弊社の研修プログラム、

マネージャースキルを向上するための自己変革プログラムに参加されている方です。

 

このプログラムは、6ヶ月かけて伴走型で実施する研修です。

 

 

非常に多くの年齢層の方が参加しています。

 

若い管理職の方は新任の35、36歳から、

最年長で60を超えている部長さんもいらっしゃいます。

 

お一人お一人の課題はそれぞれなのですが、課題には共通点があります。

 

それは、マネージャーとしてやらなければいけないのだけど、

どうしても今までできなかったことにチャレンジしてもらう、という点です。

 

そのような「どうしてもできなかったこと」に対して、

心理学を使いながら行動改善を促していく研修です。

 

 

課長Nさんは、かなりベテランで知識も豊富な方です。

 

さらに、部署の中では一番の年長者ということで、

ほぼすべてのことについて対処できる、という能力を持っている方です。

 

そんなNさんにも悩みがあります。

 

それは、「部下に仕事を任せられない」ということでした。

 

 

せっかく研修に参加するので、ぜひここを改善したいと考えてらっしゃいました。

 

この悩みを一つずつ紐解いていって、部下に仕事を任せられるようにするのが、

ビジネスコーチとしての私の役目です。

 

あなたが指導する立場であれば、どのようなやり方で部下へ仕事を任せる能力を鍛えますか?

 

 

私は、「間違った固定観念を破壊する」というアプローチを使っていきます。

 

人間誰でも固定観念を持っています。

 

その固定観念によって、正しい行動が制限されるケースがあります。

 

Nさんの固定観念は、「自分の考えは常に正しいので、

私が指示していれば大きな失敗はない」というものでした。

 

これは、おそらく事実です。

 

だから、部下に頼まずに、自分が全部方針を出すということをやってきたわけです。

 

 

彼は、この領域のスペシャリストなので、確かに間違いは起きにくい。

 

しかし、この状態を続けていると、部下たちは何か課題が起きたときに、

課長に頼る体質になっていきます。

 

課長の前に並んで、「課長どうしたらいいですか?」と指示を待つ人間が育ちます。

 

私は、「このままやっていくと、そういう人材でいっぱいになりますけど、

それでも良いのですか?」と質問しました。

 

Nさん「もちろん嫌です。でも、この行動のクセが、どうしても無くせないのです」

 

 

ビジネスパーソンにとって一番大事なリソースは、自分が自由にできる時間、

だと私は考えています。

 

その時間をどうやって捻出するかということが、上位職になるに従って

非常に大事なことになっていきます。

 

Nさんが成長するためには、自分が動きたい気持ちをぐっとこらえて、

部下に仕事を任せていく必要があります。

 

これを打破しない限りは、全部自分一人でやらなきゃいけないところから

逃れられなくなります。

 

まずNさんには、ほんのちょっとでいいので、

部下に仕事を任せることを試してみましょうと伝えました。

 

そのために、3カ月ぐらいかけて、ご自身の固定観念の検証を行っていただきました。

 

 

私は、Nさんに声をかけました。

 

「仮に上手くいかなかったとしても、何も失うものはありません。

 

だけど、もし人に任せるスキルを身につけたら、毎日がすごく楽になりますよね?」

 

確かにその通りだ・・・。

 

と腹落ちしたNさんは、早速実験を開始しました。

 

 

結果どうなったでしょうか?

 

部下の意見を採用してできあがってきた製品は、自分が考えていたものよりも、

かなり優れた特徴を持っていたそうです。

 

Nさんは、自分にとっても、部下にとっても好ましい結果を得たわけです。

 

しかし、本人にとっては結構ショックなんですよね。

 

いままで、自分が一番いいと思っていた方法が、

部下に任せることで自分がやるよりもいいものを作ってきた。

 

本人的には、ちょっと寂しさもある反面、部下を信頼して任せることの重要性を、

腹で理解した瞬間でした。

 

 

さらに、副次的効果としてですが、Nさんが細かな指示を出さなくなった時から、

部下全員がいろんな改善案を出して、試作品も製作して

自由に討議をしていったというようなことが起きたわけです。

 

Nさんは、自分が口を出していたことで、

部下が良い提案を引き出す機会を奪っていたことに気が付きました。

 

さらに、部下たちが柔軟な考え方を持ち寄り、

全員で発想して意見を出し合うようになりました。

 

Nさんは、今まで見たことのない職場一の体感を、目の前で見ることができたわけです。

 

今までは、自分が技術的に全部リードしてきてやってきましたが、

180度違う行動パターンを身に着けたわけですね。

 

 

部下からは、

 

「自分が持っている能力を発揮できたのがうれしい」

 

「今後も、継続して仕事を任してください」

 

「仕事に責任感と自発性をもって取り組むことができた」

 

という声が寄せられたそうです。

 

Nさんがなにも言わないので、課員が何かを持ち寄って色々なアイデアを出したことで、

結果的に検討の時間も早くなったそうです。

 

 

今日あなたにお伝えしたかったのは、このNさんの最後のまとめの言葉です。

 

それは、

 

「自分の性格をこの年齢で改めるのは無理だ。

 

だけど、自分の行動を改めることは可能だった」

 

この言葉を聞いたとき、私はこの研修の講師を担当させてもらって、

心底幸せだったなと感じました。

 

 

人間誰でも、常に正しいということはありません。

 

しかし、もっと良いやり方、異なる意見や考え方、

それらにしっかり耳を傾けることが生み出す成果は、正しさ以上のものを生み出します。

 

ちなみにNさんの年齢は59歳。

 

人間って、何歳でも成長できる生き物なのですね。

 

 

必要なのは決意、そして良い伴走者だなと思います。

 

良い伴走者をお探しの場合は、ぜひこちらからメッセージを送ってください。

 

https://smp.keieijinji.co.jp/topics/578/

 

 

山極毅

 

 

P.S.

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます ^ ^

 

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