自分のミスに気づけないAI
From:山極綾子
いつも、メルマガへのコメントをいただき、本当にありがとうございます。
どんなふうに伝わっているのか。
少しは楽しんでいただけているだろうかと、
毎日ドキドキしながらいただいたコメントを拝見しています。
ところで、先日「失敗することによる新たな気付き・学び」を得られないことが、
AIの弱点に関係があるのではないか?というコメントをいただきました。
結論から言えば、私も、そのように思います。
AIは、自分が出した結論が正しいか否かを、
自分で認識することができないのです。
例えば、広告のコンバージョンレート
(※細かい定義は企業により異なりますが、一般には広告が表示されたときに、
どれだけの人がクリックしてくれるか、または商品購買してくれるか、
を示す指標)を、
機械学習を使って当てることを考えます。
実際に、GoogleやYahooの広告でもこのレートを当てるための研究が
かなりなされており、多くの論文が発表されています。
ここで、A社の広告について、コンバージョンレートが50%である、
とAIが予測したとします。
すると、その予測に合わせて広告出稿の割合が調整され、
実際に広告が顧客の目に触れることになります。
(Googleなどの検索エンジン側から見ても、顧客の利便性向上のため、
コンバージョンレートが高い、
つまり顧客にとって有益と考えられる広告を多く載せたい、
という力学が働きます。)
実際に広告が運用されてみて、もし、AIの予想が大幅に外れていたら、
どうなるでしょうか?
…AIは、どうもしません。
その当たらなかったデータも新たにデータベースに追加し、
パラメータの推定をするだけでしょう。
ここで言うパラメータとは、例えば画像を載せたときの影響が正の方向に3割…
とか、そういった類のものです。
具体的な値については公表されていないので、あくまで想像です。
それはさておき、もともとのモデルが悪かったから当たらないのか。
それとも、今までのデータには全くない要因が突然発生したから
当たらなかったのか。
当たらなかった真の理由についてAIが自分で気づくことはできません。
仮説を立てて、それを明らかにすることが出来るのは、人間だけなのです。
つまり、AIは、失敗から学ぶことが出来ない、ということもできるのではないか、
と私は思うのです。
なぜならば、AIは、失敗に気づけないからです。
失敗から学ぶことが出来るのは、人間の特権なのかもしれません。
山極綾子
P.S.
AIは自分の失敗に気づくことが出来ない、そして、
そこからの学びを得ることが出来ない。
ということを考えると、なんとなく、自己客観視の能力と近いものを感じます。
自分を客観的に見るには、AIのように過去のデータや経験から学ぶのではなく、
AIが出来ないようなこと、
具体的には、それまでとは全く異なる視点・意見を取り入れることや、
評価軸の見直しなどが必要になってくるのかもしれません。
P.P.S.
最後までお読みくださりありがとうございます。
ご感想、ご質問などありましたら、こちらからお寄せ下さい。
いつもありがとうございます!
↓
https://keieijinjipartnersytube.typeform.com/to/B8JjDrk5
—————————————————————-
【経営人事メールマガジン】
発行責任者: 山極毅(株式会社経営人事パートナーズ)
発行者住所:〒100-0005東京千代田区丸の内1-8-3丸の内トラストタワー本館20F
連絡先:https://keieijinji.co.jp/
メールアドレス: strategic-membership-program■■keieijinji.co.jp(■■を@に置き換えてください)
—————————————————————-
↓バックナンバーはこちら↓
PC: https://04auto.biz/brd/BackNumber.htm?acc=keieijinji&bid=3
スマホ・ガラケー: https://04auto.biz/brd/BNMobi.htm?a=keieijinji&b=3
↓メルマガの新規登録はこちらから↓
PC: https://48auto.biz/keieijinji/touroku/scenario13.htm
スマホ: https://48auto.biz/keieijinji/touroku/sp/scenario13.htm
ガラケー: https://48auto.biz/keieijinji/touroku/sp/scenario13.htm