組織に所属する利点を科学する

From:山極綾子

 

 

卒業論文って、こんな難しいことやるんだっけ…?

 

年末も近くなり、大学の卒業研究が佳境を迎えつつあります。

 

私が所属している研究室では、学部生の研究を、

何人かの修士と博士課程の大学院生が一緒に考える、という伝統があります。

 

私もご多分に漏れず彼らの研究を一緒に見て、悩んだりしているわけですが、

 

もう、毎日が驚きにあふれています。

 

「こんなに難しいことやるんだっけ…!?」

 

 

自分が大学を卒業した際の卒業研究を振り返ると、

もっとシンプルで“伝統的”な手法を使って、改善しようとしていたように思います。

 

…あまり最新の研究をフォローしていなかった、とも言いますが…。

 

彼らを見るたびに、私ももっと頑張らなくちゃ!

とモチベーションを貰っています。

 

私にとって、このように刺激を貰えることが、

大学に戻ってきた大きな利点の一つかもしれません。

 

 

ところで、組織に所属することによる利点を科学する手法があることを

ご存知でしょうか。

 

実は、そのような考え方に基づく研究は、1980年代から行われていました。

 

具体的には、例えば会社と取締役たちの関係をネットワークで表現するモデルが

1987年に提唱されてたのです。

 

 

取締役たちは、さまざまな会社に所属することで、

自分の“ネットワーク”資産価値を上げていく。

 

会社たちは、そのような価値が高い取締役たちに所属してもらうことにより、

自社の価値を上げていく。

 

そのような相乗効果について研究されていました。

 

 

ただ、当初これらはあくまで定性的な分析にとどまっていました。

 

しかし研究が進む中で、定量的に計算を行うモデルが提案され、

そしてそれが当該分野におけるブレークスルーを生み出していたのです。

 

数学的に表現することの良さの一つは、

“誰がやっても同じ”になるということがあります。

 

そして誰がやっても同じ、であるならば、その役目をAIに任せることが出来ます。

 

つまり、組織に所属する利点を、定性的に人間が見るのではなく、

AIに計算を任せ、計算することが出来るのです。

 

誰がやっても同じ、ということで得られる恩恵は図り知れません。

 

 

山極綾子

 

 

P.S.
コメントでオススメいただき、

日立の矢野さんの、AI導入に関する記事を読みました。

 

その中で述べられていたのは、定型作業をルール化し、AIにやらせること。

 

ということは、今までルール化が出来ず人間がやっていたことも、

“誰がやっても同じ”になるようにできれば、

AIに任せる第一歩になるのかもしれません。

 

そして、ルールさえ明らかであれば、最近の技術の進歩により、

AIはかなり複雑な考え方が出来るようになっています。

 

そして、そういった作業はすべてAIに任せ、より複雑なところへ、

創造的なところへ人間の力を使うことが出来るようになるかもしれません。

 

 

P.P.S

最後までお読みくださりありがとうございます。

 

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