採用ホームページ作っても応募者が集まらない理由

FROM山極毅

 

 

NETFLIXに、大好きな映画があるんです。

 

BGM代わりにこの映画を流すほど、気に入ってしまいました。

 

映画のタイトルは、「シェフ 3ツ星フードトラック始めました」です。

 

あらすじを少しご紹介します。

 

 

新進気鋭のフレンチシェフ(カール・キャスパー)がオーナーと対立し、

店を飛び出してフードトラック(屋台)を始めます。

 

色々あって、フロリダからロサンジェルスに屋台(フードトラック)で

移動することになったのですが、その旅の過程で

料理人としての本来の充実感を取り戻していく、というお話しです。

 

このストーリーの途中で、かつての仲間であるマーティンが、

フードトラックのチームに加わります。

 

その時の彼の動機が面白いんです。

 

 

******

 

マーティン「No.2が必要でしょ?私も一緒に手伝います」

 

カール「給料は出ないぞ」

 

マーティン「問題ありません。前から、フードトラックやってみたかったんです!」

 

******

 

マーティンは、好きなこと・楽しいことをやれるなら、給料はいらないと言っているわけです。

 

映画の中での話なので、現実派の私は、「お金どうするの?」と思ってしまいますが。。。

 

 

ところでこのシーン、社員採用にも通じる話だなと思いました。

 

最近、人材採用に関するご相談を頂くことが多いので、企業の採用ページを

色々と見ているのですが、ほとんどの会社がアピールをしていないことがあります。

 

もし、あなたが求職者ならばこれを知りたいはずです。

 

ですが、ほとんどの会社の採用ホームページには、この大事なことが書いてありません。

 

調査したところ、会社の規模が大きくなればなるほど、この傾向は強まります。

 

さて、多くの会社がアピールしていない、求職者なら絶対に知りたいと思う大事なことって、

一体なにでしょうか?

 

少し考えてみてください。

 

 

 

 

 

 

正解は、「あなた(求職者)が、当社で働くべき理由」です。

 

別の言い方をすれば、

「当社で働くと、あなた(求職者)にとってどんなメリットがあるのか?」ということです。

 

メリットとは、金銭面の話だけではありません。

 

やりがいを持って仕事をできるか?自分の成長につながるか?

どのように社会や他者に貢献できるか?といった情動的な要素も含まれます。

 

 

人間は感情の生き物と言われています。

 

感情で決めてから、理性が理由付けをして衝動的な行動を正当化するそうです。

 

身近なところでは、衝動買いですね。

 

「いやいや、欲しいから買っちゃった」という例のアレです。

 

ここあたり、ありますよね?

 

 

これを採用の面から見てみるとどうなるか?

 

あなたの会社の採用ホームページに、働く人のメリットが書かれているかどうか?

が、求職者の転職願望を動かす重要なポイントになるのです。

 

人事業界でメリットと言えば福利厚生を指すことが多いです。

 

有給休暇制度とか、施設の利用権とか、寮社宅の類です。

 

でも、これらは感情をくすぐるメリットではなく、理性に訴えるメリットです。

 

人が会社で活躍するためには、衛生要因と動機づけ要因の2つが必要なのです。

 

給料や福利厚生は、いわゆる衛生要因です。

 

衛生要因は、不満の解消にしか効果がありません。

 

働く人にとってのメリットは、その人の成長や他者貢献につながる動機づけ要因です。

 

動機づけ要因は、満足度の向上に効果があります。

 

実際に、休暇や施設、寮社宅にひかれて入社した社員であふれかえったら、

会社は大変なことになりますよね?

 

しかし実際には、採用ホームページで動機づけ要素が不足しているケースが多いのです。

 

「この会社で働くことの意義」を求職者目線で把握することが難しいことが

一因ではないかと思います。

 

自分を客観視することが難しいように、自分の会社の良さを客観視することの難易度も高い。

 

そのため、大事なメッセージを形にできず、求職者に伝えきれていないことが原因です。

 

 

自社の魅力を客観的に掘り下げるには、労力と手間と経験を要します。

 

なので、ほとんどの会社が出来ていないのだと思います。

 

最終的には、こんなコトバを採用ページに書いてしまいがちです。

 

「当社が求める人材像は・・・」

 

ビジネス交流会に行ったことがある人なら、こんな経験をしたことありませんか?

 

「弊社の製品は・・・」とか「私の提供しているサービスは・・・」

 

等々自分仕事のPRを熱心にする人たちがいます。

 

「ウチの商品はこんないいところがあるんです。買ってくれればきっと気に入ります!」

という主張です。

 

私はこういうセールストークは超苦手でした。

 

人間は、買い物は好きだがセールスは嫌い、という生き物だそうです。

 

求める人材像は、「ウチの事業に必要な人物像を理解してください。

もしあなたがそれに該当すると思ったら、どうぞ応募してください」

というセールス発想に近いですね。

 

 

白状すると、以前私はこの求める人材像をつくる仕事をしていましたが、

この方法は知名度の高い超大企業でしか使えない手法だなと、最近気が付きました。

 

大企業は仕事の内容は良く分からないけど、ある種の憧れや転職前提の

キャリアアップで、就職や転職をしたい人々が集まります。

 

その結果、大企業の採用活動は、候補者を集める作業よりも

候補者の選別作業が中心になるわけです。

 

採用担当者は、応募時点でのアンマッチをなるべく解消したいと考えるので、

求める人材像の定義を必死に行うわけです。

 

先ほどの映画の例でもし、

 

フードトラックの従業員求む

 

•経験者優遇

 

•調理有能な方

 

•勤務時間:不定

 

•トラックで寝泊まりする必要あり

 

と求人を出してみても、応募は極めて少ないでしょう。

 

その会社で働く意義や、自分自身の成長の可能性、つまりメリットが見えにくいからです。

 

 

反対に、

 

フードトラックの従業員求む

 

•自分が作りたい料理をアメリカ中の人に直接届けられます

 

•お客様の反響がダイレクトに自分に返ってくるのが屋台の良いところ

 

•自分のイマジネーションを誰にも邪魔されずに料理にできます

 

•多くの人に喜んでもらえる移動式レストランで働いて、

あなたの料理人としてのキャリアにオモシロイ経験を追加しませんか?

 

という求人広告であれば、ちょっと何か物足りない日常を送っている料理人には、

かなり響くメッセージになるのではないでしょう。

 

 

求人メディアに広告を出稿しようとすると、

「採用ホームページを作るときに最初にすることは、求める人材像を定義することです」

とアドバイスされますが、私の経験上この方式が上手くいくのは、

知名度がめちゃくちゃある、ほんの一握りの超大企業だけです。

 

もし、採用ホームページからの応募がほとんどないケースや、

採用メディアに求人を掲載しても反応がない場合は、職場の魅力を棚卸して

「この会社で働く理由」を明確にし、転職者にとってのメリットを伝え、

彼らの感情にアピールする方法を考えるのが良いと思います。

 

弊社の顧客企業で、非常に上手い採用をやっている会社がありますが、

その会社の採用ページには「求める人材像」というコトバは出てきません。

 

その代わりに、その会社で働くメリットが、延々と語られています。

 

このことから、採用メッセージ成功のポイントは、

どのように学生や求職者の感情を動かすかということなんです。

 

 

このような考え方で制作された採用ページは、

おそらく次のような構成になるのではないでしょうか?

 

株式会社東京キッチンカーという会社の採用ページをご覧ください。

 

https://keieijinji.co.jp/lp/tkc_sample1

 

このページを作成するにあたり、アメリカの優良企業25社の採用ページを調査したのですが、

そこで分かったことは採用先進国アメリカの企業は、

採用ホームページを使っていないということです。

 

代わりに彼らが使っているのは、今回ご紹介したような

「採用ランディングページ」(縦方向にストーリーが展開されるページ)を使っています。

 

多くの採用ホームページは、色々なリンクが仕込まれていて、

メッセージを読む順序は読み手が選択できます。

 

それに対して、採用ランディングページでは、

上から下に順番にメッセージを伝えていくことが出来ます。

 

ストーリーに沿って読んでもらうことを意図しているので、他のページへのリンクはありません。

 

あるのは、応募ボタンだけです。

 

テレビ番組と映画の差、と考えると分かりやすいと思います。

 

アメリカで流行る手法は、2~3年遅れて日本に入ってくるのが人事業界の通例です。

 

この法則にしたがうと、2~3年後には採用サイトのランディングページ化が進む可能性があります。

 

もし、採用サイト経由での応募者が少ないとしたら、

採用ページがテレビ型の構成になっていることが一因かも知れません。

 

人材採用したいけどなかなか上手くいかない、というお悩みをお持ちの企業の方は、

採用ランディングページの導入を検討されてみるのが良いかも知れません。

 

 

パーソル総合研究所のレポートによると、

今から8年後の2030年には労働需要7073万人に対し、

労働供給は6429万人しかいないため、644万人もの労働力が不足する

という予測が出ています。

 

平均すると9.1%の不足ですが、業界間でバラツキがあり、

サービス業では19%もの人員不足になるそうです。

 

あなたの会社の採用戦略の一つに、

ハリウッド流(映画風+アメリカ最新手法と言うことで勝手に命名)採用メッセージ

を取り入れてみてはいかがですか?

 

弊社の90分無料コンサルに申し込んでいただければ、

御社の現在の採用サイトの課題を一緒に考えることが出来ると思います。

 

毎月3枠用意していますが、2月は2枠埋まってしまいました。

 

あと1枠残っていますので、ご希望の方はお早めにお申し込みください。

 

お問い合わせは、以下のURLからお願いいたします。

 

https://smp.keieijinji.co.jp/topics/578/

 

 

山極毅

 

P.S.

東京キッチンカーという会社は、

採用ランディングページの解説をするために設定した架空の会社です。

 

3つ星フードトラックの映画を見て、

もしフランチャイズ方式でキッチンカービジネスをやるならどうなるか?

 

業界を調査してなるべくリアリティを失わないように書いてみましたが、

いかがでしたでしょうか?感想ぜひよろしくお願いいたします。

 

https://keieijinjipartnersytube.typeform.com/to/B8JjDrk5

 

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