役割分担する機械学習
From:山極綾子
新しいデータを作成する、A君と。
目の前のデータが作られたものか、もともと存在するデータかを見極めるB君と。
A君は、B君に「これは作成されたデータである」ことがばれないようなデータ生成のルールを学習して。
B君はA君の進化に負けないように学習して。
両者の精度を競い合わせることで、本物と見分けがつかないようなデータを生成する手法があります。
数年前に発表され、今なお様々な分野で応用される論文。
その名も、敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Networks:GAN)。
どんな手法かと言いますと、先ほど出てきたA君とB君のように、
それぞれ異なる役割を与えられた部分があり、それらがそれぞれ学習していきます。
海外の大学の博士課程学生が考案した手法ということなのですが、
その柔軟な発想力は「こういう研究をしたい!」と思わせられます。
それはさておき、このように機械学習の部分部分それぞれに役割を持たせるモデルが
昨今多く発表されています。
例えば商品の購買履歴を学習する部分と、
それらの関係性を予測する部分を分ける手法などもあります。
一方で最近話題のchatGPTに代表される大規模言語モデルでは、
同じモデルを使って様々な問題を解こうとする動きも活発ではありますが。
なんにせよ、部分ごとに分けることは非常に有効な手段になり得るようです。
ところで、部分に分割することが有効であるのは、
何も機械学習の分野にとどまらないようです。
例えばハーバードビジネスレビューに記載されていたこちらの記事。
【実現不可能に見える目標も、小さく分解して管理すれば達成できる】
https://dhbr.diamond.jp/articles/-/9646
この記事の中でも、大きな目標を細かく分けることの重要性と効果が示されていました。
かく言う私も、自分の目標を一週間・一日当たりに落とし込んでToDoリストを作るのが
性に合って、はや2年ほど実行しているのですが。
やり方の合う合わないはあるにせよ、目標達成が見えてくるまで粒度を細かくしてあげることで、
最終的な目標の達成率に影響があることは間違いなさそうです。
山極綾子
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