学業成績の判定にAIが使われた話

From:山極綾子

「なんかデータ分析とかAIに関連したことで、知りたいことってある?」

 

「そうだなあ・・・優秀さの判定方法とか知りたい。」

 

 

先日、弊社HP上にデータ分析に関する記事を載せ、もっと他に書くとしたら、

どんなことに需要があるのだろうかと父に尋ねたときの回答のうちの一つが、
こちらでした。

 

とりあえず、論文でも検索してみようかしら。

あれ、でも、なんて検索すれば出てくるんだろうか。

まあ何となく見ながら探していけば良いか!

 

…見切り発車で検索し続けること1時間。

全く求めているものにヒットしません。

半ばあきらめ、
少し休憩にハーバードビジネスレビューでも見ようかと思ったそのとき。

 

あったー!!!!!

「学業成績の判定にAIが使われたらどうなるか」

https://www.dhbr.net/articles/-/7124

まさに、私が求めていた記事が載っているではありませんか!

恐るべし、ハーバードビジネスレビュー。

ビジネスに関わる記事がたくさん載っている媒体は伊達ではなかった…。

 

と、かなり感動した後、中身を読んでみました。

 

ここで述べられていたことを簡単にまとめると

・国際バカロレア
(高校教育の修了証と資格を与える厳格かつ権威あるプログラム)
の最終試験がコロナ禍により実施できなかった

・従来のやり方である、
課題と最終試験から最終成績を決める方法に代わる手法が必要になる

・過去の学生の情報を使って、AIによって最終成績の予測を行うことを決めた

・その結果、教師陣(や学生自身)の予測から著しく外れたスコアが出力され、
多数の訴訟が準備中となっている
(大学進学にも大きな影響を与えるものであるため)

 

今回問題とされているのは、AIが計算を行ったプロセスそのものではなく、
不服を申し立てるプロセスについてでしたが、

AIが理解しがたい数値を算出してしまった原因について、
どんな可能性があったかについて少しだけ考えてみたいと思います。

 

まずはデータの不足が、いの一番に挙げられます。

もしくは、モデルが不適切であったこと。

モデルの形としては正しくても、
必要な特徴量(判断材料)が足りなかったかもしれません。

 

実は、AIに学習させるためのデータは、人間がそのために使うデータ量程度では、
圧倒的に足りないことが多々あります。

複雑なことを学習させたいのであれば、なおのことです。

また、どんな要素で成績が決まるのか?といった要因についても、

機械は入力されたデータ以上のことを自分で探してくることはできませんから、
人間が環境を整えてあげることが必要です。

 

適切に使えば優秀なAIですが、
適切に使うための条件についてはきちんと考える必要がありそうです。

 

山極綾子

 

P.S.
当該の記事では、実は、AIのブラックボックス性については問題視されておらず、

むしろ不服申し立てのプロセスの不備を指摘していました。

ただ、私個人としては、やはりある程度ビジネス側としてAIを使う側も、
大枠については理解することが必要だろうと思っています。

 

全く訳の分からないものに自分の意思決定を左右されるのは、
とても怖いと思うからです。

一方、AIを作成する機械学習エンジニア側も、ビジネスを理解することで、
より良いAIを構築することが出来ます。

双方の歩み寄りがとても大事なのだろうな、と感じています。

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