人件費の4.6倍の営業利益を稼ぐ、アノ企業の人事評価制度

From 山極毅 @在宅勤務

 

 

ISO30414の導入で注目されるようになった人事のKPIの一つが、人的資本ROIです。

 

式は、(付加価値額)/(人件費)-1 = 営業利益/人件費 です。

 

提案型営業で知られるキーエンスの数値は、460.3%でダントツです。

 

460.3%とは、人件費100万円あたり460.3万円の営業利益がでるということです。

 

 

この460.3%数値がどれくらい凄いかというと、

 

トヨタ自動車 162.6%

 

村田製作所 45.5%

 

ダイキン工業 78.2%

 

荏原製作所 20.4%

 

日本たばこ産業 162.9%

 

です。

 

こういう数値と比較すると、キーエンスの460.3パーセントという値が、

極めて高いことがわかります。

 

彼らは、なぜこんなに高い人的資本ROIを実現しているのか?

 

注目したいのは、人事評価制度です。

 

今日は、それについてちょっと説明したいと思います。

 

 

彼らの高利益体質を支えている要因はいくつかあります。

 

その1つが、粗利が80パーセント以上でないと商品化しないという決まりです。

 

また、コンサルティング営業というスタイルも、貢献しています。

 

コンサルティング営業というのは、お客さんの課題を解決する商品を

自分たちで作るというスタイルです。

 

そして代販売代理店を通さずに、自分たちで直販するという体制も取っています。

 

顧客のニーズカードを収集して商品開発に生かすコンサルティング営業は、

お客様が必要としていることと、自分たちができることの重なっているところを発見し、

その領域に特化して商品化するということです。

 

ですので、競合他社が参入しづらいのですね。

 

キーエンスしか知らない顧客ニーズが、世の中にたくさんあるというわけです。

 

 

さて、粗利率80%の商品しか作らないということは、原価を仮に100万円とすると、

その商品を500万円で売るということです。

 

なぜ、こんなに粗利率が高いのかというと、

そういうものしか作らないと決めているからなのです。

 

これだけの高業績企業であれば、人事評価制度は

営業成績の評価比率が高いんじゃないかと思うわけなんですけれども。。。

 

実際には、成果評価と行動評価が、50対50になっています。

 

かなり行動評価が重視されています。

 

営業成績というのは、アウトプットに相当します。

 

そして、行動というのは成果に結びつくためのインプットに相当する、

というふうに彼らは考えています。

 

インプットがあってのアウトプットであり、

インプットにつながる行動というのを彼らは評価しているのです。

 

 

行動評価の中で特に重視されているのは、情報収集力という項目です。

 

先ほどのコンサルティング営業にも関係しますが、

たとえば顧客のニーズ調査も情報収集です。

 

あるいは、競合他社の情報調査、あるいは社内でのナレッジの共有という行動が、

評価につながります。

 

多くの組織で、情報収集っていうのは大事だと言われていますが、

人事評価の中に入れて実際に貢献行動を評価しようとしている会社は、

実態はとても少ないです。

 

情報共有が大事です、とスローガンを掲げてみても、

表立って評価されることはないケースがほとんどです。

 

ただし、キーエンスの場合はデータベースが命。

 

すべての情報は、データベースを進化させるためにあり、

それこそが彼らの収益の源泉だという位置づけで、人事評価項目を決めています。

 

とても合理的な動きをしているということです。

 

 

情報のほとんどは、お客さんから直接届きます。

 

代理店がないので、情報もお客さんから直接入ってくる

仕組みになっているということですね。

 

彼らは顧客の情報やニーズをヒアリングするときに、

実際に営業マンがお客さんと会って話をしたかどうか?という項目も

ヒアリングをしているみたいです。

 

組織全体で、顧客のデータベースを進化させるという仕組み。

 

これが高収益企業であり続ける理由のようです。

 

 

組織体制とか企業文化を作るときに、データを集める人や、それを活用する人を評価する。

 

反対に、データベースを進化させられない人は評価されないし、

データを見てそこから付加価値を生み出せない人も評価されないという決まりです。

 

日本企業の場合は、日本の伝統を重視すべきであり、

データ重視の経営とか人事というのは否定されるケースもあります。

 

しかしキーエンスは、日本を代表する高収益企業です。

 

ひっそりと高収益ビジネスをしている日本の会社です。

 

 

こちらの動画を見ていただくと、社員の日常が少しわかるかも知れません。

 

https://saiyoudouga.jp/new/4163

 

 

彼らが重視しているのは、情報をお金に換えることが出来る人を評価できる制度を作る、

ということのようです。

 

あなたの会社の人事制度をひとことでいうと、どんな人を評価する制度と言えそうですか?

 

 

山極毅

 

 

P.S.

 

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます ^ ^

 

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