From:山極綾子
暖かい上着を羽織って、風が強いから帽子を被り。
いつも使っている鞄に充電器もマウスも入れて。
よし！準備万端！！
そうして家を出ようとしたその瞬間、気付いてしまいました。
…マスク付けてくるの忘れた…。
すでに鍵も閉めてしまっていましたが、このご時世、
マスクなしではいけない場所も増えましたし、なにより、周りの方の目が痛い。
面倒だけど、取りに行かなきゃ…。
その日に限って脱ぎにくいロングブーツを履いてしまっていたことを恨みつつ、
家に戻りマスクを装着し、事なきを得ました。
コロナ禍になってから、今までなかったルールが増えたり、
もしくは軽視されてきたルールが厳重に守られるようになりました。
例えばお店に入るときの検温やマスクの着用は新しいルールですし、
手洗いの励行も、
今まで以上に様々な場面で叫ばれるようになったように思います。
これらのルールが決められた背景には、
医療従事者の方や医学、物理学などの研究者からの提言があったように思います。
これまでの経験や、飛沫の飛び方、いろんな専門的な観点から、
マスクをすべし
アルコール除菌をすべし
と多くの私たち全員を守るためのルールが提示されてきました。
ところで、ルールを作るのは人間だけではありません。
機械学習、いわゆるAIも、ルールを学習するものです。
もし、AIにコロナを防ぐためのルールを学習させたら、
どんな手法になるでしょうか。
そして、いま現実で言われているようなマスクをしましょう、
アルコール消毒をしましょう、というルールを
導き出すことはできるのでしょうか。
機械学習は、蓄積されたデータからルールを学習していきます。
つまり、コロナにかかった人とかからなかった人のデータを集める必要がある、
ということになります。
コロナにかかった人は、マスクをしていなかった。
手洗いうがいをおざなりにしていた。大人数でのパーティーに出ていた。
かからなかった人は、マスクをしていた。
きちんと手洗いうがい、手指消毒もまめに行い、必要最低限の外出に控えていた。
こんなデータがたくさんあれば、
いまあるようなルールを学習することも可能であるように思います。
ですが大問題は、そんなにきれいなデータは存在しない、ということです。
マスクをしなくてもかからない人もいれば、
万全の対策を取っている人でもかかってしまったりします。
さらに言えば、東京ですら抗原検査による既感染率は0.91%ということですから、
感染者と非感染者のデータはかなり偏っているはずです。
すくなくとも、コロナ感染を防ぐルールは何か？を考える問題に対して、
機械学習はそれほど役に立てないのかもしれません．．．。
山極綾子
P.S.
この問題に限らず、データ分析に完璧に向いているデータを取ることは、
とても難しいことです。
例えば模試の結果と実際の合否の関係性をモデル化しようと思っても、
模試では調子が出なかった人もいれば、直前に頑張った人
など、いろいろなノイズが発生します。
データの量が増えればそのような問題も全体の大きな傾向の中に消えていくと
予想されますが、コストもどんどん増えていきます。
得意分野を受け持つことで効率が最大化されるのは、
何も人間同士に限ったことではないようです。
P.P.S.
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