ビーエービーアイピー(BABIP)をご存じですか?
From 山極毅 丸の内のオフィスより
もし、あなたが野球チームのスカウトであるか、
あるいは人材採用を仕事にしているのならば、この指標を知っておいた方が良いと思います。
BABIPとは、Batting Average on Balls In Playの略です。
BABIP = (安打 – 本塁打) ÷ (打数 – 三振 – 本塁打 + 犠飛)
この指標は、「本塁打を除く、グラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合」
を示すものです。
打者でいえば打率、投手でいえば防御率、この2つが選手の能力を図る代表的な指標でした。
しかし、アメリカの野球で、統計学を重視した選手の能力選定が進んだ結果、
このBABIPに関するある発見が、それまでの常識を覆したのです。
その発見とは・・・
インプレーになった打球がヒットになる確率は、長期的に見るとどの投手でも0.300程度になる。
ということでした。
これのどこが発見なのかと言いますと、「野球におけるヒットは、運に過ぎない」
と言っているのに等しいからです。
これをスカウトで使うとしたら、以下のような流れになります。
ある年、BABIPが0.250の投手がいた。
↓
0.300よりも打たれていないことになるので、この年は運良く好成績を残す。
↓
多くの球団が注目し、高額のトレードで移籍する。
↓
移籍後の年のBABIPは、平均値の0.300に落ち着く。
↓
防御率が悪化するが、本当は普通に戻っただけ。
↓
高値掴みしたスカウトが怒られる(会社なら採用担当が怒られる)
もし、あなたがスカウト担当、採用担当なら、以下のような人材を狙うべきなのです。
それは、BABIPの数値が悪い割に、防御率がそれほど悪くない選手です。
Excelでグラフを書くと、すぐに候補者を見つけることができるでしょう。
人事に統計学を導入すると、競争相手がまったくマークしていない人材を
発掘することも可能になります。
人材活躍の方程式を教えてくれるのは、事実であるデータとそれを処理する数学的理論なのです。
こちらの動画で解説していますので、ぜひご覧ください。
山極毅
P.S.
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