エジソンに成功をもたらした、とてもシンプルな行動とは?

From 山極毅 丸の内のオフィスより

 

 

多くの組織が「実現したい」と考える経営課題が「イノベーション」です。

 

めまぐるしく変化し将来が読めない時代において、企業が生き残るためには

イノベーションによる新たな価値を生み出すことが求められています。

 

 

『景気循環理論』の著者であり20世紀前半を代表する経済学者、

ヨーゼフ・シュンペーターは、

「イノベーションは、企業そして経済の発展の主導的な要因」と言いました。

 

また、イノベーションと組織の収益には、

相関関係があることを示す研究もあります。

 

 

一方で、イノベーションはそう簡単に起こるものではありません。

 

理由は、膨大な数のトライアルが下地となり、

ほんのわずかな確率で大きなインパクトを与えるものが生まれる、

これがイノベーションの仕組みだからだそうです。

 

生涯で1300を超える発明を成し遂げたエジソンでさえ、

自身で「あきらめないことの天才」だといい、

電球を発明したときは2000種類以上のフィラメントを試したといわれています。

 

つまり、イノベーションが生まれにくい最大の原因は、

「起こせるほどの試みがなされていない」ことのようです。

 

 

組織でイノベーションを起こすためには、社員が安心して発言し、

リスクを恐れず新しいアイデアを試すことができる環境が必要です。

 

そのような環境を生み出し、組織の変革を担う立場の担い手は誰か?

 

それは、経営者または人事部に任された大事な仕事でしょう。

 

 

経営者と人事部が本気に変革を目指している企業は、

とにかくビジネスの最前線にいる社員が仕事をしやすい環境、

チャレンジしやすい環境を整備することに専念するようになるからです。

 

反対に、経営者や人事が管理傾向を強めると現場はどんどん窮屈になり、

イノベーションはほとんど期待できなくなります。

 

 

さて、日常的にどのような行動をすると、

イノベーションを生む風土が根付くのでしょうか?

 

ここで、大ヒット映画を量産し、“イノベーションのエキスパート”として知られる

ピクサーの例を見てみましょう。

 

ピクサー・アニメーション/ディズニー・アニメーションの社長であり、

ピクサー・アニメーション・スタジオの共同創設者でもある、

エド・キャットムルは、

「創造性を阻害するものは数多くあるが、

きちんとしたステップを踏めば、創造的なプロセスを守ることができる」

といっています。

 

(『ピクサー流 創造するちから(エド・キャットムル/ダイヤモンド社)』)

 

 

実は、ピクサーは「きちんとしたステップ」の一つとして、

フィードバックを活用してイノベーションを生み出しています。

 

たとえば「デイリーズ」と呼ばれる社内レビュープロセスでは、

社員一人ひとりが、その日の作業内容を完成度にかかわらず報告しあいます。

 

「ブレイントラスト会議」では、制作途中のラフな映像を流し、

ほかの作品を担当する監督や脚本家などと、率直な意見を交わします。

 

「反省会」では、作品のうまくいったこと、いかなかったことを振り返り、

次に活かすべき教訓を得ます。

 

 

さらに「ノーツ・デイ」という会社が主催する、1日がかりのイベントでは、

社員がピクサーについて語りたいトピックの部屋を設けて、

自由に出入りしながら話し合うことまで行われています。

 

ピクサーでは「率直なフィードバックは貴重で重要なものである」、

ということを社員全員に徹底して伝えています。

 

そして、建設的な批評を「グッドノート(よい指摘)」と呼び、

積極的に活用しているのです。

 

 

—(以下引用)—

 

フィードバックはまた、失敗を次の成功につなげる「よい失敗」に

変える役目もあります。

 

失敗とは、そもそもゴールに向かう途中で修正すべき点を教えてくれるものです。

 

科学者や技術者は、目的に向かって仮説を立て、

実験し分析して結論を引き出します。

 

そのとき、予想通りの結果が出なくても、それは失敗ではありません。

 

最初に立てた仮説が違っていたとわかれば、

新たな事実をもとに、再度、仮説を立てて実験してみればいいのです。

 

「ダメな結果」というものはは、実は一つもないのです。

 

 

ピクサーでは、ブレイントラスト会議を、単なる「批判の場」にせず、

「助け合い、支えあうことによってよりよい映画をつくる」ために、

2つのことを心がけています。

 

①メンバーは監督の相談相手として、実際に制作した経験を持つ人物を選ぶ

 

②監督は提案や助言に従う必要がない

 

率直な議論の場として、つくり手ではなく作品そのものを精査するという原則に

もとづいているのです。

 

—(引用おわり)—

 

 

日本の社会は、失敗を恐れ、容認するのが難しい文化であり、

イノベーションを阻害しがちな環境です。

 

スキル研修をたくさん導入して、イノベーティブな人材を育成しようと

計画することがありますが、イノベーションを生み出す組織は、

「人材が活躍できる環境を生み出す」ことに集中しているようです。

 

その原動力となるのが「フィードバック」です。

 

 

正しいフィードバックのやり方を社員全員が学ぶことで、

より生産性の高い組織をつくることが出来るようになります。

 

エジソンがフィラメントを試行錯誤してたプロセスも、

試した材料からのフィードバックだったと考えてみましょう。

 

「また、上手くいかないものを発見したぞ!次を試そう」

 

こんなことを考える人々が集う組織であれば、

イノベーションの下地が出来上がったと思えませんか?

 

 

山極毅

 

 

P.S.

コンサルティングの現場で伺った素晴らしい内容を、

「会社を良くするはしごの話」という動画にまとめました。

 

自己責任の段階を登っていくビジネスパーソンのお話です。

 

 

P.P.S.

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます ^ ^

 

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