From:山極綾子
突然ですが、”wordle”というものをご存知でしょうか。
SNSで多くの友人が、何やら不思議なタイルの画像と共に投稿している単語で、
これまでずっと気になりつつも、放置していました。
さらに、タイルの画像だけでなく、「それを解決するプログラムを書いた」という方までいて…。
これはいったい何なのか。
（気になる！）
思い立って検索をしたところ、答えはすぐに見つかりました。
wordleとは、英単語当てゲームのことでした。
https://www.nytimes.com/games/wordle/index.html
（現時点ではweb版でしか遊べない様子で、しかも英語版しか存在していませんでした。）
ルールはとてもシンプルで、5回のチャンスの中で、
隠れている英単語を見つけ出せ、というものの様でした。
正解の英単語は5文字。
まずはあてずっぽうに5文字の英単語を入力すると、文字と位置の両方があっていれば緑に。
文字があっていれば（正解に含まれていれば）オレンジに。
何もあっていなければ灰色に。
といったように表示がされるため、それを頼りに英単語を探していくゲームの様です。
そしてそのルールが、タイルの謎を解く鍵でした。
特定の時間には同じ単語が答えとして用意されているため、
まだ答えを知らない人にネタバレになってしまわないよう、
共有するときは単なるタイルの色として表現されていたのです。
何とうまい表現方法でしょうか。
答えを漏らしてしまうことにはならない。
けれど、どのくらい上手く回答できたかをみんなに示すことはできる。
そして私のように、興味を持った新しいユーザが表れる…。
広告を出さずにユーザを増やしているゲームとして紹介されていたのも納得です。
実は、データ分析をしていると、意図せず情報が漏れてしまっていないか？
ということにも注意が必要です。
例えば、ある特定の人物の体重を当てるモデルを生成するとき、
使えるデータの中に身長とBMIが含まれていた瞬間に、
その統計モデルはただの定義を示すものになってしまいます。
もちろん、新しいデータにも身長とBMIのデータが必ず含まれているのならば
それで問題はないのですが、ポイントは【意図せず】というところです。
本来は、身長や年齢など、もっと他のデータと体重の関係性を見たかったのだとすれば、
BMIという指標が一つ紛れてしまっただけで、情報が漏れてしまう（リーク）、
ということになります。
データ分析に関するコンペティションでも、このリークが問題になったことがありました。
その点、wordleのリーク対策はばっちりです。
上手くいくサービスは、細部まで気が配られているものなのですね…！
山極綾子
P.S.
今回のゲームがユーザを増やした方法。
ユーザが新たなユーザを呼ぶ。
会社でいうとこの、リファラル採用の様です。
wordleでは、ゲームの不思議なところだけを見せることで新規ユーザの興味を引いていました。
では、企業は何を見せれば社員になり得る求職者を惹きつけられるのか？
もしかすると、ヒントは思わぬところに隠れているのかもしれません。
P.P.S.
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