「偽相関」と「相関」と「因果関係」の複雑な関係

From:山極綾子

 

 

先日お送りしたとある朝の情報番組での内容に関するメルマガについてご質問をいただきました。

 

情報番組で扱われていた「お口のトラブルとコロナ重症化リスク」が、

ただの偽相関なのではないか?という内容について、

 

“この件は「相関」はあるけど「因果関係はない」、

あくまで因果関係を見つけ出すことが大事、という認識だけれども、

「相関はない」というのが数学的に正しいのだろうか?”

というご質問でした。

 

 

実は、名前がとてもややこしいのですが、「偽相関」というのは、

数学的に「相関がない」ことは示していません。

 

「偽相関」であろうとも、数学的には「相関はある」のです。

 

ただ、その相関が発生している理由が、見せかけのものであり、

因果的な関係性はないよ、ということを示しています。

 

コメントをくださった方のおっしゃる通り、

「相関」はあるけれど「因果関係はない」ということなのです。

 

 

偽相関が生まれる理由として考えられるのは、

1つには、背景にある要因が、両方に影響しているような場合です。

 

例えば年収と足の速さには恐らく、負の相関があります。

 

年齢を重ねれば、足が遅くなる。

 

年齢を重ねれば、年収が上がる。

 

そのため、足の速さと年収には負の相関が出てきます。

 

ですがもちろん、この結果から「年収を上げるためには足を遅くしよう!」とはなりません。

 

そこに因果関係はないからです。

 

 

因果関係を見つけ出すには、人間がこれまで蓄積した知識を活用するか、

もしくはその因果関係を明らかにするに十分な情報を持ってくる必要があります。

 

今回でいえば、科学的に納得できる理由から

お口のトラブルとコロナの重症化の関係性を説明すること。

 

(口内環境が整っていなければ免疫が下がり、

結果としてコロナの重症化が起きてしまうのではないか?というコメントを頂戴しました。

とても納得しました…。コメントいただきありがとうございます)

 

他にも、お口の環境以外に、コロナ重症化リスクに影響があるだろう要因はすべて同じで、

口の環境の良しあしでしかリスクの高さを証明できない…という事例が

たくさん集まれば、統計的にも十分因果関係がある、と言える可能性があります。

 

ランダム化比較実験が行える分野や、もしくはデータがmissing at randomと呼ばれる

「ランダムに欠損値がある」みたいな状況では統計的に因果関係を推定することも可能です。

 

ご質問をいただきありがとうございました!

 

言葉の定義、難しいです…。

 

 

山極綾子

 

 

P.S.

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます!

 

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嬉しく拝見しています。いつもありがとうございます!

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