「いつも通り」が分からない
From:山極綾子
「山極さん、最近体の調子はどうですか?」
放っておくとバキバキになってしまう体をメンテナンスするために、
定期的に通う整体でのこと。
腰なのか肩首なのか、どこを重点的に対応してもらうかを決めるため、
施術してくださる方が初めに質問してきます。
「いつも(平常時)と比べてどうですか?」
ですがこの問題、私にとってはかなりの難問なのです。
なぜならば、いつも体が痛いから。
悲しいことに、コリが無い状態はもう思い出せません。
いつでも腰に違和感はあるし。
首を回せばバキバキいうし。
原因はPCやスマホの見過ぎであるとわかってはいるのですが、どうしようもありません。
私にできるのは整体に通うこと、定期的にストレッチをすること。
それだけです。とても悲しい。。。
整体の方への回答は「いつも通り痛いです。」以外にはありません。
正常な状態と比べてどうなのか、を尋ねられているのはわかるのですが、
健康な「いつも通り」は私の指標の中にはすでにないのです。
ところで、人に何かを伝えるとき、指標がしっかり定まっていることはとても重要です。
機械学習のモデルを評価するときにも、例えば問題の正解率のように、
そのモデルの良しあしを評価できる指標が欠かせません。
そして可能な限り、複数のモデルでその指標を共有できることもまた重要です。
そうしなければ「私のモデルはすごいんだ!」としか言うことができず、
独りよがりな結論となってしまいます。
体の「いつも通り」もきっと、答える人によってその状況は異なります。
そのため、人による「いつも通り」との比較を行っても、それは正確な比較とは言えません。
特に人による主観が影響を与える人事の分野では、
いかにして客観的な評価を得るかがとても難しい問題となりそうです。
山極綾子
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