守備範囲外のメール

​ From:山極綾子

​

せっかく（？）迷惑メールを受け取るのならば、せめてメルマガのネタにしたい。

そんなことを考えながら迷惑メールを削除することが多々あります。

たとえば論文誌を語った「あなたの研究成果を投稿しませんか」のメール。

ハゲタカジャーナル※だ！危険だ！！とか。

（※非常に簡単に論文誌に載せ、異常なほど高い掲載料を提示してくる論文誌です。

論文掲載本数を稼ぎたい研究者を獲物としたハゲタカに見えるためそう呼ばれています。）

私、このアドレスでamazon登録してないのに「有料会員解除のお知らせ」とはどういうこと！？とか。

他にも、一瞬考えさせられてしまうようなメールが来ることもしばしばあります。

迷惑メールを考える暇があるなら、

もっと真っ当なことに時間を使えばいいのにと思うのですが、それはさておき。

先日来たものは、全くもって何のネタにもなりませんでした。

というのも、韓国語で来たのです。

これがもし、漢字で書いてあったのなら、何となくの意味はつかめたのかもしれません。

ですが書いてあるのは、ハングルだけ。

そもそも読み方もわからなければ、意味なんてもってのほかです。

そもそも相手の守備範囲である言語や領域に入らなければ、

全く意味がないのにな…、と迷惑メール相手に変なことを考えてしまいました。

対象と全く違ったもの、というと、

異常値を検出するような問題が機械学習で取り上げられることがあります。

例えば、数字の画像に紛れ込んだ洋服の画像を判断するモデル。

もっと具体的な利用例を挙げるならば、健常者のレントゲン写真の中から、

何か健康に異常がある方のレントゲン写真を抽出する問題などがその対象です。

そしてそのモデルは、「その他大勢」が似ていれば似ているほど、

そして「異常」がその他大勢と違う特徴を持っていればいるほど、判断が簡単になります。

その他大勢から全く違う特徴を持つ者たち。

例えばハングルで書かれている文章なんて、全く他と違うのだから、

メールアプリの方で迷惑メールとしてはじいてくれてもよさそうな物なのに、

どうやってその網の目をかいくぐったか。

どんなプログラムの穴をついたのか、ちょっと気になります。

山極綾子

P.S.

ハングルの迷惑メールも、これはこれでネタになったので感謝かもしれません。

…いえ。迷惑メールは送ってこないでいただきたい限りです。

P.P.S.

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