寒くなると売れるもの

From: 山極綾子

 

 

純粋な気温ではなく、体感気温が下がったとき。

 

みんなが「寒い」と感じると売れるようになるとある食材があるのですが、

それは何でしょうか?

 

…もちろん、いろいろな商品があるとは思うのですが、

以前研究室の先輩が行っていた研究では、鍋の材料がその一つに挙げられていました。

 

具体的には、SNSであるtwitterに投稿された「暑い」「寒い」というつぶやきを

体感気温の正解データとして、それを気象情報から当てる予測モデルを作成。

 

そこから予測された体感気温と商品の売れ行きの関係性を分析した研究があります。

 

 

身近で、かつ面白い論文でしたので、研究室に配属されたばかりの学部3年生が、

彼らのゼミで取り上げて読んできてくれていました。

 

ところで、この「寒い」から鍋の材料が売れるというのは、

もちろん相関関係もありますが、因果関係があることが推測されます。

 

私自身も寒くなると鍋が食べたくなりますし、

きっとあなたもそんな気分になることがあるのではないでしょうか。

 

 

ですが相関関係があるからと言って因果関係が、必ずしも成立するわけではありません。

 

例えばnewspickの記事によると、以下のような事実があるそうです。

 

https://newspicks.com/news/7899876?invoker=np_urlshare_uid2722643&utm_source=newspicks&utm_medium=urlshare&utm_campaign=np_urlshare

 

「未達のビジョン」と「高いパフォーマンス」の関係性について。

 

以前出版されベストセラーとなった「ビジョナリー・カンパニー」では、

未達のビジョンを達成するという動機付けによって組織のパフォーマンスが上がる、

という因果関係が指摘されていました。

 

しかし現在は、単純に相関関係であるだけで、因果関係でないと言うことを

明らかにする研究がなされ、完全に論理は否定されているそうです。

 

高いビジョンがパフォーマンスを生むのではなく、その逆も簡単に考えられます。

 

パフォーマンスが高いから、みんながビジョンを信頼する、

という関係性も十分に考えられます。

 

つまり、仮に今社員がビジョンを大事にして、そして成長しているからと言って、

そのビジョンが必ずしも原因とはなっていない可能性があると言うことになります。

 

どちらが原因でどちらが結果か。

 

因果関係の研究には適切なデータのとり方が必要なのは、間違いありません。

 

 

山極綾子

 

 

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