ランダムより当たらない天気予報
From:山極綾子
私、バタフライ効果を勘違いしていたようです。
ハーバードビジネスレビューに載っていたとある記事
【変化に適応するための戦略立案に欠かせない3つの要素】。
https://dhbr.diamond.jp/articles/-/8944
こちらの冒頭で、”バタフライ効果の犠牲にならないために”という章がありました。
曰く、バタフライ効果は「小さな事象が大きなインパクトをもたらしうる」
という意味に解釈されることが多い。
曰く、提唱者であるローレンツの洞察はさらに深淵である。
すなわち、「複雑系においては、ある変数の小さな変化は何の影響も及ぼさないこともあれば、
甚大な影響を及ぼすこともある。
そして結果的にどちらになるのかを予測するのは、事実上不可能と言うことだ。」
と言うことでした。
まさに、「小さな事象が大きなインパクトを…」という意味でしか
解釈していなかった私には目からうろこの情報でした。
確かに、現実の事象は複雑で、そのすべてを予測しきることは難しいのだと思います。
どんなに素晴らしいコンピュータを使って、
どんなに難しい物理演算をしても精度100%の気象予測は現状、できていません。
ところで天気予報と言えば、ずっと昔に子供向けのなにがしかで
「天気予報の精度は50%以下だから、あなたがランダムに言った方が精度が高い」
と言った文面を見たことがあります。
が、これは大ウソつき(かもしれない)だと、統計を学んだ今であればわかります。
というのも、天気予報の精度を測る際の指標を示していないからです。
天気予報の対象が晴れ・曇り・雨の三択だったならば、
その場合はランダムの正解率は33%ですから、50%と比較するのはナンセンスですし。
もっと複雑な予測をしていたかもしれません。
そう言った条件を一切書かないのはずるいと感じてしまいます。
物事の予測をする際には、この問題であればどのくらいの精度が見込めるのか?
をきちんと評価して、その上で目標などを決めるのが良さそうです。
さもなければ、絶対に到達できないような高すぎる目標や、
ランダムにも劣るような簡単な目標を立ててしまうかもしれません。。
山極綾子
P.S.
予測の難しさの評価にはいろいろな指標がありますが、
上記のように選択肢(晴れ・曇り・雨)の逆数(33%=1/3)を取るのは
とてもオーソドックスな手法です。
機械学習分野でエントロピーと呼ばれる指標も、その考え方に基づいています。
(もともとは熱力学の指標と言うことなのですが、あいにくそちらは全く理解できておりません…)
選択肢が多いと悩んでしまうのは、人も機械学習も一緒ですね!
P.P.S.
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