優しさがしみました

From:山極綾子

 

 

「汚れちゃったら困りますよね!多めにガーゼ付けておきますね!」

 

「あ!でも、見た目が気になりますよね。上に肌色のテープ貼っておきますね!」

 

ある日、ひょんなことから採血をしなくてはいけなかったとき。

 

何も考えず服を選んだ私が着ていたのは、白の長袖。

 

確かに、採血後の血がついてしまったら、目立ってしまうような洋服でした。

 

それを見つけた看護師さんが、気を遣って、たくさんのガーゼ&見栄えが悪くならないように

肌色のテープを用意してくださったのです。

 

優しさがとても身にしみました。。。

 

 

こういった心遣いが出来るか否か、というのは人間関係や仕事上でも

とても大きな影響を持つと思うのですが、実験のプログラムを書いていても、

似たようなことを思うことがあります。

 

というのも、(主に未来の自分への)ちょっとした気遣いによって、

その後の作業効率が全く違うのです。

 

例えば、プログラミングしている際に記述するコメント。

 

ここでは何をしていて、何を考えていたのか…ということを書きます。

 

そのコメントによって、数日後、もしくは数か月後に見た自分も、何をしていたのか、

すぐに理解することができます。

 

 

他にも、実験を行っていくうえで、その過程をきちんと保存しておくようにすると、

本当に楽なことがあります。

 

というのも、機械学習では、何度も繰り返し学習すればするほど精度が上がる、

わけではないからです。

 

機械学習でルール、すなわちパラメータを学習する方法の一つに、

一度に最適な値を求めるのではなく、最適らしい値に徐々に変化させていく、

という方法があります。

 

複雑なモデルでは多くの場合、最適な値を解析的に求めることができないため、

よく用いられる方法です。

 

基本的には、計算をくり返せば、より良いパラメータに近づいていくのですが、

常に良くなっていくわけではありません。

 

徐々に、悪化してしまうこともあるのです。

 

何度も繰り返してみたけども、5回前の結果が一番良かったのならば、

その最もよかった状況の学習結果をつかうべきです。

 

もしその時、一番良かった結果を保存していなかったとしたら、

再度学習をし直す必要が出てきてしまいます。

 

最初から気配りをして、学習の途中経過をきちんと保存していたのだとしたら…。

 

何度も繰り返す必要もありませんし、その経過を追って見れば、

きちんと学習が進んでいることの確認もできます。

 

プログラムではたかだか数行しかない記述なのですが、その効果は絶大で。

 

そう言った気遣いを忘れないようにしたいものです。

 

 

山極綾子

 

 

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