大人になるとやらなくなること
From 山極毅 @丸の内のオフィスより
あなたは、どんなお子さんでしたか?
わんぱく/おてんば系ですか?(FCタイプ)
聞き分けの良い子供でしたか?(ACタイプ)
それとも妙に冷静な子供でしたか?(Aタイプ)
思い返すと、「あの頃はよかったなぁ・・・」なんてセリフをつぶやいたりしませんか?
不思議なもので、ほとんどの人が大人になるとやらなくなることがあります。
それは、「失敗を恐れずにチャレンジすること」です。
子供のころは、何が危険で何が安全なのかがわかりません。
だから、「とりあえず、すべてやってみる」という行動に出るわけです。
例えば、あなたが初めて歩いた時のことを思い出してください。
それまでハイハイしかしらなかったあなたは、つかまり立ちを始めます。
そしてあるとき、3歩あるいては尻もちをつきながらも、果敢に2本脚での歩行に挑戦します。
歩けるようになると、自分の世界が広がることを知っているかのように。
ところが、いつの日か我々は、「分別がある大人」という都合のよい言葉と引きかえに、
リスクに挑戦することから遠ざかります。
行動を起こすということに、恐怖心を感じるようになってくるわけです。
これは、生物としては基本的な欲求ですから、ある意味仕方のないことです。
生存の鉄則は、危険なところから遠ざかることだからです。
しかし、ここで問題があるのです。
それは、「それは本当に危険なのか?」ということです。
あるところに、部下とうまくコミュニケーションできない課長さんがいました。
以前、ある些細なことで部下と口論になり、それ以来お互いに遠ざかることになってしまいました。
嫌われているのではないか?怒っているのではないか?軽蔑されてるいのではないか?
このような考えが頭に浮かび、課長さんは部下に声を掛けられません。
私のところに相談に来られたので、私はこう言いました。
「もし部下と腹をわって話したら、どんな嫌なことが起きそうなきがしますか?」
課長さんは答えました。
「う~ん、さらに関係が悪化しそうな気がします」
「でも、いまでも既に関係悪化していますよね。
今のまま放置するのと、今よりもさらに悪化するのと、どんな差があるのですか?」
「・・・確かに、差はありませんね」
「もし、自分の言いたいことを部下に話したら、どんな気持ちがすると思いますか?」
「おそらく、胸のつかえがとれると思います」
「そうすると、話をすれば胸のつかえがとれる。
関係が改善しなくても、現状と特に変化はないということですね?」
「確かにそういうことになりますね」
「では、私とのこの面談が終わって職場に帰ったら、その部下にどんなアプローチをしますか?」
「話したいことがあるといって、彼に対話の時間を確保してもらいます」
この課長さんは、こういって面談を終えました。
さて、この方は実際にどういう行動に出たと思いますか?
一か月後の再面談で確認したところ、まだ話が出来ていないということでした。
理由を聞いたら、タイミングを見計らっていたが、チャンスがこなかったと言うのです。
この課長さんも、赤ちゃんの時には一人で歩き出した経験があるはずなのに、
大人になるとそういう行動が出来なくなってしまったわけです。
私は、これこそが、「あの頃はよかったなぁ・・・」の本質ではないかと思うのです。
失敗しても立ち上がってまた挑戦する気持ち、
今日よりも明日は必ず成長することが確実だという信念、
何かあれば周囲の人が必ず助けに来てくれると確信している安心感。
これらはすべて、昔のあなたが持っていて、今の多くの大人が持っていないものです。
とくに、挑戦、成長、安心感の3つは、企業の成長にとって欠かせない要素です。
個人がこの3つを感じることが出来なければ、
人の集合体である組織だけが成長することはあり得ません。
2回目の面談で、私はこう言いました。
「タイミングがなかったのではありません。チャンスが来なかったのではありません。
わかりますか?」
「・・・。はい、自分が動かなかっただけです」
「怖いですからね。しょうがないです。で、今の気持ちはどうですか?」
「あまりすっきりしていません。私は、自分でやるといったことをできませんでした」
「そうです。では、今日の面談のあとはどうしますか?」
「帰ったらすぐに部下と話をします。もう嫌われても良いと思えるようになりました」
「そうですね、きっとうまくいくから、勇気を出して話をしてみましょう」
「はい、わかりました。やって見ます」
その後その課長さんは、1年半ぶりに部下と深い対話を行い、
お互いの誤解の部分、それでも意見の合わない部分を、
冷静に確認することが出来るようになった、とその後私に報告してくれました。
今では、部下の意見を恐れることなく対話ができるようになりました。
ポイントは、意見の違いの要因は、立場の差、信念の差が原因であることに気付いたので、
個人に対する苦手意識が和らいだためです。
この話の教訓は、「恐れは知らないことが原因」ということです。
この課長さんの場合は、エゴグラムを使ってこの部下の価値観を理解することで、
正しい対処法を身につけることができました。
我々がチャレンジを恐れる本当の理由は、
何が起きるか分からないという知識不足から来ていることがほとんどです。
知っているか、知らないかが、人生の質を左右するのであれば、
正しい知識を勉強する、あるいは正しい知識を持っている人に学ぶのが、
自分の人生を豊かにする秘訣だと思うのです。
次回は、私の最近の挑戦についてお話しします。
とにかく怖かったことを、どうやって克服したのかを、少しご紹介したいと思います。
山極毅
P.S.
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