サンクコスト効果の影響を受けないAI

From:山極綾子

 

 

恐らく、昨今のアフガニスタン情勢や何がしかを鑑み、

ハーバードビジネスレビューに【サンクコスト効果】についての記事が載っていました。

 

タイトルは「あなたはサンクコスト効果の影響をどれだけ受けやすいか」

 

(https://www.dhbr.net/articles/-/7911)

 

 

確かに私も最近、サンクコスト効果の影響をガッツリと受けました。

 

これ、プログラミングした方がきっと早いよね。

 

だって、行数10万以上あるし、エクセルで開くには重すぎるだろうし。

 

よし、頑張ってプログラムするぞ…。

 

と意気込んだのはいいものの、バグに悩まされ、意図する挙動を実装することができません。

 

 

悩むこと丸一日。

 

よくよく考えればエクセルでもできるはずの内容なのですが、

これまで悩んだ時間を考えると、

なかなかプログラミングを諦めるという結論を出すことができませんでした。

 

もうにっちもさっちもいかない!バグの原因分からない!

と諦めてエクセルで作業し始めたのは、かなり締め切りぎりぎりになってからのことでした。

 

そして悲しいことに、エクセルでの作業の方が圧倒的に早く、

そしてやりたかったことを間違いなく実行できたのです。

 

これぞサンクコスト効果の影響。

 

それまでに犠牲にしたコストを考えれば考えるほど、

それらをなかったことにするような手段を取ることができませんでした。

 

 

一方で、恐らくAIはサンクコスト効果を全く受けないと思うのです。

 

例えば囲碁の電脳戦で用いられるAI。

 

あれは強化学習という、取り得る方策(囲碁で言えば、どこに石を置くか)

での「報酬」を計算していく、それが最も最大になるような方策を取っていく…

といった学習方法が取られています。

 

ここでいう「報酬」というのは、ゲームの勝利にどれだけ近づけるか?の様なものです。

 

この「報酬」の計算にはさまざまな方法がありますが、

一つの共通点として、将来の状態しか見ない、ということが挙げられます。

 

過去にどんな手を取ったのか、は関係ありません。

 

例えばポーカーなどでしたらすでに捨てられたカードの情報を加味することは

あるかもしれませんが、それもあくまで将来を予測するための情報でしかありません。

 

 

記事によれば、人間は少なからずサンクコスト効果を受けてしまうようです。

 

そう考えると、AIによる意思決定は、サンクコスト効果に対して最強と言えるような気がします。

 

 

山極綾子

 

 

P.S.

ところでAIが囲碁でとても強い理由の一つとして、数万(以上)もの手の

「報酬」を計算できることが挙げられます。

 

それでも一流の囲碁棋士さんはAIを超える手を打ちます。

 

まるで、頭の中に宇宙があるかのようです...

 

 

P.P.S.

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