「ネコの足は何本ですか?」『4本です。多分。』

From:山極綾子

 

 

「スカイウォーカーって誰?」

 

『英雄』

 

「空の色は何色?」

 

『青』

 

「水の色は何色?」

 

『水』

 

 

自然言語処理、つまりAIに言語を学習させようとする研究分野について

調べていたところ、面白そうな論文を見つけました。

 

2015年と、少し古い物ではあるのですが、

チャットボットの様なシステムを作るための研究の様です。

 

(全編英語ですが、ご興味のある方はこちらからご覧ください

 

https://arxiv.org/pdf/1506.05869.pdf

 

 

こちらの手法はかの有名なニューラルネットワークの考え方を

使っているのですが、面白いな、と思ったポイントが2つあります。

 

まず、例文として載っている、AIの発言内容です。

 

人間:「ネコの足は何本?」

 

AI:『4本。多分。』

 

 

なんと、AIは、ただ『4本』と答えるだけではなく、

それに加えて、至極人間らしい言葉を追加していました。

 

※原文ではHuman: how many legs does a cat have? Machine: four, I think.

 

例えば医療の分野や金融の分野など、

様々な分野でチャットボットが導入されることが多いですが、

それらのやり取りは誤解を恐れずに言えば、かなり機械的です。

 

決まった文言に対して、その答えとなる文章を定型文で返すだけ。

 

もちろん、それでも24時間対応できることなどメリットは多分にありますが、

人間らしい温かさがあるかと言われると、疑問符がついてしまいます。

 

 

2つ目の面白いポイントは、その会話文の学習に、

映画の字幕を使っていることです。

 

この点を読んだ時、思わず「ああ!!」と納得してしまいました。

 

そういった自然な会話を学習させたからこそ、

「多分。」だなんて人間らしい言葉を使っていたのか…と。

 

 

確かに、単純に答えを回答するだけならば、

質問と回答の一覧さえ作ってしまえばよいのかもしれません。

 

ですが、使う人が楽しいと思えるAIを作ろうとしたならば。

 

ちょっとした工夫で、AIに温かみを追加できるのなるのかも知れません。

 

 

山極綾子

 

 

P.S.

恐らく、AIは本当にネコの足の本数に対して、

「多分」と言いたかったわけではないはずです。

 

概念としてのネコを考えるのならば、足が5本あるネコはいないはずなので…。

 

つまり、原文にあった”four. I think.”というのは、

恐らく別の文脈で数字を答えるセリフで、

それに加えて”I think”というセリフがあったのでしょう。

 

そういった意味ではまだ、人間とAIの間の隔たりを完全になくすには、

もう少しかかりそうな気もします。

 

 

P.P.S.

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