とっても腹が立った出来事
From:山極綾子
「山際さんに、指示しておく」
．．．はい？
ある時、とあるチャットツールを見たとき、
私の怒りのスイッチがぷちんと音を立てて入りました。
というのも、インターンで同じ仕事に取り組んでいる、
同じ学生から、上記のコメントが入っていたのです。
指示？
あなたって、私の上司だっけ？
そもそも、たとえ上司だったとしても、
「指示しておく」って、言われるの好きじゃないんだけど。
そもそも、私の名前は山際じゃないし。
普段、あまりイライラすることはないと思っているのですが、
自分でもびっくりするくらい、ものすごーく、イラっとしてしまいました。
普段だったら、人からコメントを貰ったら、
たとえそのコメント内容に対して納得できなかったとしても、
一言目はお礼から入るようにしているのですが、
それすら忘れてしまうほど、イライラが募ります。
なんなら、全体のチャットで、「私の名前、山極なんですけど」と
言ってしまおうかと思ったほどです。
でも、こんなことにイライラしているのは時間の無駄。
やることは山ほどあるのです。
何とかしようと思い、「イライラ 理由」で検索すると、
そこに出てきたうちの1つに、「相手を理解できないから」
というものがありました。
．．．確かに。
私にとっては指示、という言葉は上から下へ、命令するイメージです。
ですが、その人から見たら、依頼、くらいの気軽なイメージなのかもしれません。
真相のほどは定かではありませんが、それにて休戦、と自分を納得させました。
人間の言葉って、私たちにとても影響を与える割には、すごく曖昧ですよね。
同じ言葉を使っていても、文脈や相手との関係性によって、
受け取り方はがらっと変わります。
こういったニュアンスの違いを、
AIで言語処理するときにも、出来るだけ反映したいものです。
ところで、AIに言語を分析させるために必要な道具として、辞書があります。
広辞苑のようなものではなく、自分が抜き出したい単語が書いてあります。
よく分析に使われているのは、日本語の辞書です。
それと照らし合わせていくことで、
文字の羅列を、言葉と認識することが出来ます。
ですが、もし相手との関係性による違いを反映して、理解させようと思ったら、
それらを違う言葉として辞書に登録しなければなりません。
しかも、その条件と共に。
例えば、Aさんから来たらこの意味。
Bさんからきたら、あの意味。
…とても、人力で出来る作業量ではなさそうです。
これをきちんとモデル化するには、ポイントを絞るのか、
はたまた、他の方法を考えるか．．．。
人間が考えていることをAIに実現させるには、
まだまだたくさんの壁があるのだと実感させられました。
山極綾子
P.S.
冒頭のエピソードについて、すでに解決しておりますので念のため．．．。
そういった、何か状況が変わったことも、
AIに理解させるのはとても難しいように思います。
そう考えると、モデルの学習に人間の精神状態を反映させることが出来れば、
なにか面白いことが出来そうです。
P.P.S.
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