同じ言葉を使っていても、その意味合いは…?(SMP データ活用術 Vol.1)
Strategic Membership Programの評価モジュールである、
マルチアングルフィードバックでは、
お互いにコメントを送り合う機能があります。
例えば、“いつも画期的なアイデアを出してくれて、とても助かっています。”とか
“仕事のやり方について、周りの人のやり方をベンチマークしながら、
自分に向いている方法を見つけてください”
といったコメントを、自分が送りたい相手に送ることが出来るのです。
上司でも部下でもない、同じ部署のメンバーでもない人に送ることもできます。
そのモジュール内で行われた評価と、
別モジュールから抽出した個々人の評価点のデータを組み合わせて、
【周りからの評価とコメントで使う言葉の関係性】について、分析を行いました。
その結果、とある言葉について、高評価の人と、そうではない人で
使い方が全く違うことがわかりました。
その言葉とは、「?」です。
あなたは「?」を、どんな時に使っていますか?
そしてそれは果たして、高評価を受けている人と同じ使い方でしょうか?
詳細を見てみましょう。
【分析方法】
言語解析においてよく用いられる“TFIDF”という指標を使って、分析を行います。
具体的には
①データのダウンロード
それぞれの人の評価データ
その人が行った他者への評価のコメント
②評価のコメントはそのままでは使えないので、形態素解析
(品詞ごとに分けます)
③形態素解析した品詞をBag of Wordsの形に変換
(単語について計算が出来るようにベクトル表現します)
④TFIDFを計算します
このTFIDFという値は
「一般的にこの単語は出にくいのに、この文章ではたくさん出現している!」
時に高い値を持つ指標です。
つまり、みんな使わないのに、この人たちはよく使う!
という単語を抽出することができます。
今回、弊社の顧客企業A社さまのマルチアングルフィードバックの結果を用いて
分析した結果、面白い単語を見出すことが出来ました。
それこそが、冒頭の単語。
クエスチョンマークでした。
ただしこの単語(?)は、評価が高いから使う、低いから使わない、とか、
そういった違いがあるわけではないのです。
評価値に関わらず使う人は一定数いるのですが、その使い方に違いがありました。
評価が高い人はどのように使っていたのでしょうか。
答えは「~ではないか?という視点を持って、取り組んでみてください」
つまり、比喩表現として、使っていたのです。
一方、評価が低かった人は
「~したらいいのではないでしょうか?」
つまり、自分の意見を言い切らない形で用いていました。
自信がない物言いをするから評価が低いのか、
評価が低いから自信がない物言いになるのかはわかりませんが、
何かしらの関係性があることは間違いなさそうです。
また、面白いことがわかれば共有いたします!
山極綾子
P.S.
ところで、この違いというのは、言語解析で勝手に出てきたものではありません。
データからわかることはあくまで
“「?」に着目するのはどうか?”ということだけです。
その結果を見て、「?」に着目して、そして分析をして、
考察を加えるのは人間なのです。
データ分析は一見万能なようにも思えますが、それ単体では効果がありません。
分析手法を使う人がその特性を理解して、相乗効果を出せるように活用することで
さらに効果を大きくすることが出来るのです。