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組織と人事の相対性理論 (人と組織の生産性 Vol.5)

einstein

<前回のおさらい>
・全ての人間は、ありのままの状態で貴重な存在である
・チーム編成論が貴重なのは、理論と検証に裏付けされた方法論が少ないこと
・人間はなかなか変わらないが、人間関係はマネジメントが可能
・ありのままの個性と能力を尊重すれば、生産性は飛躍的に向上する

<今回の内容>
異動や組織変更でチームメンバーが変わると、自分の立ち位置がなぜ変わるのか?について考えてみます。

冒頭の写真は、相対性理論を発見したアルベルト・アインシュタイン博士です。

ちなみに、彼の最初のキャリアはスイス特許庁の審査官でした。

とにかくヒマだったので、物理学のことを考える時間がたくさんあったそうです。

その時間がノーベル賞に結びつくのですから、人生なにが益になるのかわかりません。

なぜアインシュタイン博士の写真なのかと言えば、人と人との関係にも相対性があるからです。

 

<たった5文字で宇宙の真理を表す相対性理論>

エネルギーEと質量Mは等価であるという大発見
einstein2

私が高校、大学、大学院で勉強した物理法則は、とてもシンプルで美しいものが多かった記憶があります。

相対性理論の中で最も有名な数式E=mc^2も、たった5文字の方程式です。

こんなに簡潔に宇宙の真理を表しているとは驚きです。

2016年2月12日(日本時間)、全米科学財団と国際研究チームが重力波の検出に成功した、というニュースが世界を駆け巡りました。

この重力波は、アインシュタインの相対性理論で予言されていた現象の一つです。

たった5文字の理論が予言した現象の検証に、なんと数十年も要したわけです。

シンプルな理論ほど、仕事の現場で使いやすいし応用が効く。

同時になかなか奥深い所もある、というのが理系文系両方の世界に共通した特徴のように思います。

 

<リーダーシップとストレス>

人事の課題には色々なものがあります。通常は、それぞれの課題に応じて研究や方法論が議論されています。

例えばリーダーシップであれば、能力開発の手法についての研究やそもそもリーダーはどうあるべきかという研究、等々があります。

ちょっと休憩中のリーダー?
leader

また、ストレスの問題であれば、従業員が健康に実力を発揮できる職場を維持するために、様々な方策を検討します。

会社は常に従業員のストレス状態をモニターをし、問題があれば対応策を決めて改善行動を取らなければなりません。

人事部の仕事には様々な領域があるので、通常はCoE*1がそれぞれの担当領域の仕事をします。

(*1 Center of Excellence : ビジネスプロセスに関する啓発、普及、展開、徹底を推進する専門組織)

つまりリーダーシップ開発担当とストレスマネジメント担当は、異なるケースがほとんどです。

さてここで、皆さんが仕事上一番しんどかった時期のことを思い出してください。(今がまさにその状態でなければ良いのですが、、、)

任された仕事ができなかった、夜も眠れないほど仕事で悩んだ、非常に腹立たしい関係者がいた、絶対に見返してやろうと頑張った、明日どうなってしまうか分からない不安にさいなまれた、、、

思い返してみると色々しんどい事はたくさんあったが、あの時期を経てすごく成長したなと、実感することはないでしょうか?

目下成長中!stress

人間の成長には適度なストレッサーが必要と言われています。

ストレスを感じるような修羅場を通して、リーダーの重責を担う能力を身に付けていくわけです。

あなたがストレッサーにさらされながら仕事をしたとき、同じタイミングで仕事に必要な能力の一部を身に付けた可能性が高いです。

その証拠に、再び同じ局面を迎えた時、過去の経験を活かして前よりうまく対応できたはずです。

自分が経験した過去を考えると、ストレスとリーダーシップは切ってもきれない関係にあります。

しかし、人事の仕事上でこの2つが同時に扱われることはめったにありません。

ストレスは安全健康管理部が、リーダーシップ開発はタレントマネジメント部が担当するのが、CoE分担としては通常の姿だと思います。

何故同時に扱えないのでしょうか?

理由は簡単で、そのような理論や方法論を、ほとんどの人事部の方は知らないからです。

仮に知っていたとしても、戦場であるビジネス現場で適用していくには、理論をマスターするための資格や実務経験が必要になるでしょう。

 

<コンビネーションマネジメントが必要な理由>

私は、厚生労働省・中央職業能力開発協会の会員である一般社団法人が認定する、パーソネルアナリストというスキル(資格)を使って顧客企業のチームの実態に合わせて、最適チーム編成を検討します。

直ぐに組織変更ができないケースでは、個々人の相互理解を深めたり、コミュニケーションの方法をコーチするなどして、生産性向上のお手伝をいたします。

例えば皆さん自身が、難しい仕事を任されたリーダーだったとします。

締め切りまでに、与えられたタスクを完遂しなければなりません。

自分も含めたチームメンバー全員が、この仕事を長くやってきていて経験値は十分です。

しかし、何かが物足りないということにあなたは気が付いています。チームに足りない力は何でしょうか?

  • 決めたことを着実に行う実行力ですか?
  • 新しいアイディアが必要な局面での発想力ですか?
  • 販売や実験のデータの分析に必要な洞察力ですか?
  • 充分な情報が無い状態で意思決定しなければいけない胆力ですか?
  • 皆が自信を失いかけた時でもチームを鼓舞して率いる影響力ですか?

上に書いた○○力は、年齢と共に変化することもありますが、ほとんどは持って生まれた個性で決まっています。

スキルは学習で習得が可能です。経験を積むことでスキルはさらに深まります。

しかし、個性は基本的に変わりません。個性は学習で変わりません。

小中高校の同窓会で合う友達は、昔のままの印象であなたの前に現れるケースがほとんどのはずです。

ですから個性を活かした組み合わせの理論、コンビネーションマネジメントが必要なのです。

イチローの個性、松井秀樹の個性、松岡修三の個性、錦織圭の個性、皆それぞれ違います。

皆さんそれぞれの個性も、最大限に尊重されるべき固有のものです。

これを最大限活かすことが我々パーソネルアナリストの使命です。

この大事な原則は、パーソネルアナリスト認定証基本宣言の一番最初に書かれています。

<パーソネルアナリスト認定証>
FFS authorization

 

<組織内人間関係の相対性>

自分のタイプを知って能力向上につなげようというサービスはいろいろあります。

試しに”自己分析”とgoogleで検索すると、15,200,000件もヒットします。

内容も様々です。回答内容を定量的に処理し、タイプ分析をしてくれます。

”チームワーク”と検索してみると、4,780,000件です。およそ1/3です。

”チームワーク”でヒットした内容を見てみると、良いチームワークの条件は書いてあっても、どう行動すれば良いのか書いてないものがほとんどです。

そして割とあたりまえ(失礼ながら)っぽいことが沢山書かれています。

では、実際にどのような行動が必要なのでしょうか?

1. 個性を尊重したチーム編成を通じて生産をあげるためには、個人間の関係性を定量的に把握する必要があります。
2. また、対応すべき業務課題と個々人の相性とスキルセットについても吟味が必要です。
3. そして、何らかの理由で人事異動をしなくてはいけない時、後任者をどのように選ぶのかも慎重な議論が必要です。

このような検討課題に対して、皆さんの組織ではどのように検討されてますか?

間違いがないように膨大な時間をかけて議論したり、その逆にまず試してみてだめならまた直すというアプローチもあるかと思います。

私が知っている範囲では、チーム編成に対して定量的、論理的、分析的アプローチをしている会社や組織はほとんどありません。

これはある意味チャンスです。

パーソネルアナリストの資格を持っている人事コンサルタント(その際はぜひ私に!)に仕事を依頼さえしていただければ、競合他社や会社の中の他の事業部に対して、生産性で差をつける方法を手に入れることができます。

個々人の組織内での立ち位置や実力の発揮度合いは、チーム全体との関係で相対的に決まるものなのです。

個性と仕事とスキルが完全にマッチしたとき、組織の生産性は最大になります。

 

<しかし全てにおいて万能ではない>

ここまで読んでこられて、『でも実際のところ、そんなにうまくいかないんじゃないの?』と思われる方もいらっしゃると思います。

はい、おっしゃる通りです。いくら優れているとはいえ、所詮は人間が開発した理論ですから限界はあると思います。

今でも忘れられない言葉があるのです。パーソネルアナリストの認定をしてくださった、小林博士の講義中の言葉です。

メモをとっていなかったので一言一句正確ではないのですが、以下のような趣旨のことをおっしゃってました。

地球上には70億の人間がいる。もし私の理論が完璧であったら、個性のタイプは70億通りでなければならない。

個人に与えられた個性は、唯一無二の貴重なものなのだからだ。

しかし、私の理論ではたったの91タイプにしか分類できない。

これがこの理論の限界である。

皆さんは実際の仕事でこの理論を使うとき、決して万能だと思ってはならない。

常に論理的思考を失ってはならない。

そして、すべての人間は必要とされている存在であることを忘れてはならない。

自分の仕事の限界を素直に認めるということは、なかなか凡人にはできることではありません。

パーソネルアナリストの勉強をしようと腹が決まった瞬間でした。

実は、冒頭の相対性理論でさえも説明できない物理現象があるのです。

宇宙の始まりの極々短い時間に起きたことは、相対性理論では説明できないのです。

しかし、相対性理論は日常の色々なところで使われています。

最近の例ですとカーナビの測位技術です。早く動くものは時間の進み方が遅くなるという法則を使って補正しています。

相対性理論を使わないと、1日で約10kmもの測位誤差が出るそうです。

測位に必要なGPS衛星が非常に早く(時速10,000km!)動いているからです。

我々ビジネスの現場では、正確で信頼性の高い理論が必要であって、必ずしも完璧な理論を求める必要はありません。

ビジネスの時間とコスト制約を考えればやむをえません。

ですから、現実的で効果が高いことが実証されている理論を使い、成果を出せる組織を作っていくことが一番の近道になると思います。

自然科学の分野でも、組織設計の分野でも、相対性は重要なテーマであるというお話でした。

そして最後に朗報です。パーソネルアナリストが使う理論は、ストレスとリーダーシップが混在する悩みに対してもアドバイスを提供できます。

有効な成果を沢山提供している信頼度の高い理論です。詳細は、info@keieijinji.co.jp へお問い合わせください。

人事異動、育成計画、新人メンター選定、管理職の部下マネジメントスキル向上等に使えます。

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山極

経営人事パートナーズ:『利益を生む組織と人財をデザインします』

<ジョーカーが万能なのは、相対的ポジションが不変であるおかげ?>
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